「自転車の街」は自転車事故多発の街
殺人と放火の件数も23区平均の2倍に

 かつて荒川区は、自転車関連の製造業が集積する「自転車の街」と呼ばれていた。だからこそ一層、「自転車事故多発」の汚名は重い。

 昼間人口当たりの犯罪発生件数は8位。これもやや多いというレベルだ。ところが、昼間人口当たりの粗暴犯は3位、風俗犯は4位と順位が上がる。それ以上に憂慮されるのが、殺人と放火である。昼間人口当たりでも面積当たりでも、23区平均の2倍を示す。

 区も手をこまねいているわけではない。2004年3月には「防犯都市宣言」を行ない、様々な施策の拡充に努めてきた。地域の防犯拠点となる区営の交番「安全・安心ステーション」も、区内に4ヵ所設置されている。

 下町らしい取り組みとしては、落語の前座で防犯キャンペーンを行なう「防犯寄席」を、毎年定例開催している。2008年からは、小学校の校門の近くで子どもたちを見守る「スクール安全ステーション」の設置が進行中だ。2010年度末で11校となっており、2012年度末までに全ての区立小学校(24校)での開設を目指す。

 不安なのは、65歳以上の割合が3位、人口当たりの要介護者の割合3位、同要介護3以上の割合1位と、高齢者のリスクが高いことだ。人口当たり身体障害者の割合も、2位と高い。

 震災時に手助けを要する人の割合が高い荒川区では、首都直下地震による死亡者のうち、要援護者が47%を占めると想定されている。もし、支援のチームワークが乱れれば、弱者を見捨てざるを得ない事態に陥ってしまう。

 荒川区の災害要援護者避難援助体制は、別名「おんぶ作戦」。たとえおんぶしてでも救出するという決意の表れだ。「おんぶ作戦」の体制を整えている防災区民防災組織(全区で119組織)は、55組織59体制を数える。