民主主義の「危うさ」を
助長するメディア

 多くの人がこうした政治に呆れながらも、それを遠くから見ているしかない。むしろ真面目な議論を敵視するような雰囲気がこの社会を覆っている。そして、その雰囲気づくりに多くのメディアが手を貸している。

 私が、民主主義の「危うさ」、と指摘したのは、こうした雰囲気そのもののことである。

 この12月は、社会保障と税の一体改革の素案づくりで、野田首相の決意が問われている。党内の反発も強い。その焦点は消費税の5%の増税である。

 が、これは社会保障の改革ではなく、2015年までの社会保障の財源の穴埋めに過ぎない。5%の消費税を実現できたとしても、2015年には約18兆円の国のプライマリー赤字(国債等借入に伴う支出と収入を除いた生の赤字)が想定される。しかも、日本の高齢化はこれからも、急な坂を上がるように急速に深刻化するのだ。

 私の簡単な試算でも、大幅な給付カットや驚くほどの成長ができない限り、当面の5%では済まされず、2020年までには消費税は20%を超えることになる。

 ただ、これで嵐が過ぎ去るわけではない。

 消費税が仮に20%になっても、今年で1000兆円を超えた国の債務はさらに増加を続け、現役世代が高齢者を支えるという、いまの社会保障の仕組みを維持することも困難になる。この高齢化社会をまかなう新しい仕組みを完成させない限り、国の未来に関して答えを出すことにはならないだろう。

 ほとんどの政治家はそれを知っているはずだが、問題はあまりにも大きく、本当のことを語らず、取り組みで腰が引けている。

 では、この日本の政治を誰が立て直すのか、それが、私の問題意識である。はっきりしているのは、永田町にはその答えを期待できない、ということだ。