苦境の銀行が一斉に手数料を引き上げる事情メガバンクは手数料の引き上げに向かい始めた (写真はイメージです)

 メガバンクが、相次いで手数料の引き上げを予定している。報道によれば、みずほ銀行は2018年1月から、三菱東京UFJ銀行は同年4月から、それぞれ両替手数料を引き上げると方針だという。

 銀行は、貸出先が乏しくなったことに加え、長く続く低金利の影響で収益が悪化していたこともあって、以前から手数料を収益源の柱にしようとしていた。だが、詳しくは後述するが、昨今の「ゼロ成長」と「ゼロ金利」によって収益悪化に歯止めがかからないため、手数料収入の確保とともに、窓口でのサービスを有料化することで顧客をATMに誘導し、人員削減につなげてコストを削減しようとしているわけだ。

そもそも「サービス」は
「無料」ではない

 そもそも、日本人の中には、「サービス」は「無料」だと考えている人が少なくない。だが、サービスにもコストがかかっており、そのコストを顧客が負担するのは当然の話だ。

 これは銀行だって同じ。例えば銀行が両替を行うコストは、当然、顧客が支払うべきだ。「無料で両替してくれたから、御行に口座を開きます」という顧客ばかりならいいが、そうしたケースは非常に少ないだろう。その銀行と何の取引もない人たちが突然来店して、銀行員の時間を奪うのだから、その分の人件費などのコストは負担すべきである。