需要超過や「供給不足の行き過ぎ」が
起きるメカニズム

 景気サイクルにはパターンがあり、通常、景気が回復から拡大局面に入ると、人々や企業のマインドが前向きになります。

 企業は投資や雇用・賃金を増やし、積極的に借金をして事業拡大のための投資や本社の建て替えなどを行います。個人も消費をに前向きになります。返済が難しいような借金をして高額な家や車を買ったり、借金をして株式を購入したりする人が増える可能性があります。

 この状況が続くと、好景気の継続を見込む企業や人が増え、将来の収入や所得、収益をあてにした経済活動が増えていきます。さらに進むと、人手不足が加速し、給料が大きく上昇したり、モノ不足から物価が上昇したりするようになります。いわば「需要過多の行き過ぎ」、もしくは「供給不足の行き過ぎ」です。

 極端な場合には、企業や家計部門で借り入れが過大に膨らみ、さらに問題が大きくなります。それは、景気減速局面になってから表面化します。

 通常、景気が失速してインフレも落ち着けば、中央銀行が金融緩和に乗り出すため、景気は再び加速に向かいます。だから、株価や不動産価格が少し下がっても一時的な調整で済むことが多いのです。

 しかし、債務過大の状況で株や不動産などの価格が下落すると、多くの人々や企業が一斉に負債の返済に走ります。これがバブルの崩壊です。

 それでは、現在、こうした「行き過ぎ」は本当にないのでしょうか。