「上司の臭いがあまりにひどく、その悪臭が気になって仕事に集中できない。臭いのせいで頭痛がし、健康被害が生じているため会社を辞めさせてほしい」

 このように、スメハラが時として職場を退職する理由として挙がるほどにまで、深刻な問題となるケースも出てきている。日本では考えられないことかもしれないが、実際に海外では以前からスメハラ問題は深刻に捉えられており、あまりにも酷い場合には裁判で訴えられるケースもある。

 今後は日本国内でも、グローバル化に伴い多国籍な人々と働くようになるにつれ、スメルマネジメントの重要度はより高まっていくだろう。

スメハラで特に指摘される口臭
問題なのは「病的口臭」

 このように、社会全体が臭いに対して敏感になっている風潮の中、スメハラの原因である体臭の中で特に指摘されているのが、実は筆者の専門分野である「口臭」だ。

 ある製薬会社のアンケートによると、80%強もの人が他人の気になる臭いとして「口臭」を挙げており、口臭はスメハラの主要因の一つとなっている。

 そこで、「口臭」とその原因について、この口臭への対応、つまりスメルマネジメントについて、順を追って説明していこう。

 まず「口臭」は多かれ少なかれ誰にでもあることを、前提として認識していただきたい。健康な人でも軽い口臭はあり、これは「生理的口臭」と呼ばれる。

 起床時、空腹時、緊張時などの日常生活において、時として口臭がきついと感じることがあるだろう。こうした生理的口臭は、食事や水分を摂取したりすることで、ヒトの鼻では感じないレベルに下がるため、問題とはならない。

 この「生理的口臭」とは対照的に、明らかな不快感を伴う「病的口臭」がスメハラ問題となるのだ。

「病的口臭」とは、その言葉の通り正常ではない強い臭いを指し、食事や水分の摂取では消失せず、その原因を除去しない限り不快な臭いが続く。

 この「病的口臭」の原因は一体何だろうか。