努力と忍耐と不動心
五黄・金本の野球人生

 努力と忍耐と不動心。これが「ガイアの五黄」の人間の気質を示しています。
 それをもとに考えると、金本の野球人生は、実に五黄らしく、五黄のお手本と言えるでしょう。

 プロ野球の世界は「結果」が常に求められます。
 結果だけで、いい選手・悪い選手と判断されるのが野球選手の定め。
 もちろん、金本の実績は申し分ないでしょう。
 ベストナインやトリプルスリー(打率3割・本塁打30本・30盗塁)も達成しましたし、阪神では4番でチームの大黒柱でした。

 しかし、金本の魅力を語る際、結果だけではない気がします。
 彼のすごさは、結果を出すまでの過程(プロセス)。その過程こそが、人を魅了し、まるでガイア(地球)の引力のように人を惹きつけます。

 今では、ホームランバッターのイメージが強い金本ですが、大学時代は体格がひょろっとしていて、とてもホームランバッターとは言えませんでした。

 先輩からは「マッチ棒」とも呼ばれていたこともあると語られていました。
 そんな金本が、今では野球界入りをする伝説級の強打者として名をとどろかせています。
 その背景には、いつだって彼の忍耐と努力が混じった、本気の練習があるのです。

 金本と同時期、広島で過ごしたカープOBは、ある記事でこんなことを語っていました。

「金本は入団直後から危機感を覚え、目の色を変えていた。どんどん練習力を増やして、地道な筋力トレーニングに励み、朝から晩までバットを振っていた。『いつまで練習してるんだ!?本当に死んでしまうぞ!』と先輩に言われたら、真顔で『死んでもいいです』と返していた」

 これだけでも並はずれた努力の人ですが、阪神の選手時代でも、誰よりも遅くまでバットを振り続け、他の選手との食事会にも遅れてくるほどと言いますから、もはや信念すら感じます。

 努力と忍耐で結果を掴む。金本の人気の秘訣は、「ガイアの五黄」としての努力と忍耐を常日頃から発揮し、背中で語ってきたからこそのものでしょう。何があっても動じずストイックに練習し続ける姿は、みんなの心を魅了します。