前出のBMI(体格指数)は肥満の度合いを測る数値で、計算式は体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)だ。身長1メートル70センチで70キロの人なら、BMIは24.22だ。普通体重はBMI18.5~25未満とされ、18.5未満は低体重(痩せ型)、25~30未満が肥満(1度)、30~35未満が肥満(2度)などと定義されている。日本では、もっとも病気になりにくい理想体重は22ということになっている。

日本人も小太りが長生き(週刊朝日 2018年2月9日号より)
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 しかし、現実はどうやらちがう。『メタボの罠』などの著書がある東海大学名誉教授の大櫛陽一氏は長年、健康診断のデータを分析してきた。「BMIレベルと総死亡率」では、80歳以上は別として、男女とも最も死亡率が低いのは、25.1以上~30.0の人たちだ。

「BMIレベルと原因別死亡率」でも同様の結果になっているが、男性は27.0以上でも、普通体重の範囲内の22.0~24.9よりも低い。

 大櫛氏が説明する。

「ちょっとメタボ気味で、小太りの人が一番死亡率は低いのです。むしろ、痩せると、がんや呼吸器(肺炎)、心疾患(心筋梗塞など)の死亡率が高くなります。特にがん細胞はエネルギーを消費するので、栄養状態が悪く、痩せている人は早く体力が奪われる。がんに対する抵抗力は、小太りの人のほうがあるのです」

 周囲から白眼視され、日頃から「痩せろ」圧力に苦しんできたぽっちゃりさんには朗報ではないか。それでは、なぜ一番元気な体重クラスの人たちに「肥満」という、病気であるかのようなレッテルが貼られてしまったのか。実はカラクリがある。問題なのは、BMI25~30未満のカテゴリーをWHO(世界保健機関)は「過体重」と定義しているが、日本では「肥満」認定。愛誠病院の新見氏がこう指摘する。

「WHOの基準ではBMI30以上から肥満です。例えば身長170センチの人なら86.7キロ以上になりますが、日本では72.25キロ以上で肥満にされてしまう。私はここに“悪意”を感じます。『肥満』でお金儲けしようという人たちが介入しているのです。本当の健康とは無関係に、設定値を下げれば薬が処方されるケースが増大します」