人に好かれるようになる2つの原則

 人に好かれるようになるための基本原則は二つです。

 まずは、こちらから相手を好きになることです。

 好きになると相手に興味がわいてきます。すると相手の嫌がることや好きなことが見えてきます。

 すると相手にも「好き」という感情が伝わって、相手のこちらに対する印象も変わってきます。これが「好意の返報性」と呼ばれるものです。気持ちは、こだまになって返って来るというわけです。

 好きな子には、ついつい意地悪をしたくなる。子どもの場合、そんな行動に出ることがよくあります。

 でも、それだと好意はあっても、相手にはその気持ちが十分には伝わりあせん。気持ちをきちんと伝えるスキルを持っていれば、結果はどうなるにせよ、誤解なく気持ちを相手に伝えることができます。

 そしてもう一つは、自分を好きになることです。

 「自尊感情(self-esteem)」と言われるものですが、これは自分に自分の価値がどれぐらいあるか、能力がどれだけ高いかということを自分で判断することです。

 自尊感情の高い人は、他者を見る時には長所からみていくという傾向があることがわかっています。

 相手のいいところから見ていくことができると、自分とは違う人やちょっと癖のある人なども含めて、いろいろなタイプの人と仲良くなれるのですね。それで交友関係が広がっていくと考えられているのです。

 逆に、自尊感情が低い人は「他人とは自分に不利益な存在だ」と警戒してしまう傾向が強いので、どうしても欠点から見ていきがちです。そうすると「あの人も嫌い」「この人も嫌い」と交友関係が限定されてしまうのです。

 また自尊感情が低い人は、自分を否定されるような言葉に出会ったとき、変に攻撃的になってしまったり、やっぱり自分はダメなんだと落ち込んでしまうことがあります。

 「自分は、そこそこ悪くない人間である」と自己評価ができないから、他人の評価に気持ちを流されて過剰反応してしまうのです。

 「彼を知り、己を知れば、百戦してあやうからず」

 とは孫子の言葉ですが、相手の立場を考えて話し、自分もそう悪くないと自信を得る。そうすることで、人生は一歩一歩ずつでも、うまくいったりもするものなのです。

 

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