日産もBMWも、EV向けリチウムイオン二次電池の製造と「一定の距離」を保つことで電池のコストダウンを図るという戦略で、これはダイムラーも同様だ。

 今回のカンファレンスで、ダイムラーのEV・プラグインハイブリッド車向けの電池パック事業を行う100%子会社、ドイチェ・アキュモーティブは、研究開発に徹することを強調した。ダイムラーはドイツの化学メーカーとの合弁で、電池セル製造メーカーのLiテックを設立しているが、ダイムラーのEV開発関係者に直接確認したところ、新型EVにはLiテック以外の電池セルが搭載される可能性が高いという。

電池製造から撤退する理由は
中国市場での価格競争激化

EV向けの最新充電機器 Photo by Kenji Momota

 このようにEVに先行投資してきた自動車メーカーが、こぞってEV用のリチウムイオン二次電池の製造から撤退する理由は何か?

 最大の原因は、販売価格の下落だ。

 初代リーフが発売開始された2010年頃、EV用リチウムイオン二次電池の価格は、電池パックで見た場合、電池容量1kWhあたり500米ドル程度(5万円強)だった。当時、韓国LG化学は米ゼネラルモーターズ向けの量産効果により、将来的に大幅なコストダウンを実現すると豪語し、「数年後に現在の半額に相当する、250米ドル(2万5000円強)」としていた。

 その後、先進国でのEV需要を見ると、大量生産されたモデルは大衆型のリーフやルノーZOE、また高級車のテスラ・モデルS/Xなどごくわずかで、電池のコストダウンに対する量産効果は高くなかった。

 だが、中国政府の各種施策により中国地場の電池メーカー間の価格競争が激しくなったことが大きく影響し、世界市場全体でのEV用リチウムイオン二次電池の価格が急落した。2017年時点では、1kWhあたり150米ドル~200米ドル(1万5000円~2万円)程度となっている模様だ。

 今後の価格変動について、今回のカンファレンスでも自動車メーカー、自動車部品メーカー、そしてコンサルティング企業などが様々な予測を出したが、2020年代の早い段階で100米ドル(1万円強)になる可能性を示唆するものが多かった。