ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
KEY PERSON interview

国内で標準化を進め、
グローバルITの統合にも着手。
「中国市場の急拡大をITでけん引する」資生堂

2012年2月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

 こうして国内でパッケージによる標準化の経験を積み、「One Model」と名付けた標準テンプレートをグローバルに展開するという計画を立て、2008年2月に経営会議にかけました。

――経営会議ではどのように理解を得たのでしょうか?

 かなり時間がかかりました。予算規模が50~60億円と、非常に大きな投資です。半年くらいかけて、「本当に実現できるのか」というさまざまな議論を重ねました。しかし、中国の市場成長の伸びや、日本市場の成長が今後それほど見込めないことを考えると、必要な投資だと判断されました。

 IT整備の重要性を経営層に理解してもらうのは本当に苦労します。ただ5年前に、IT活用先進企業のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)出身のカーステン・フィッシャーが国際事業担当役員に就任したのは大きな影響がありました。やはりITに対する期待値が非常に高いですから。

――グローバルITの整備によって、具体的にはどのような効果を見込んでいますか?

 基幹系システムの入れ替えで直接具体的なコスト削減効果や売上げ向上効果を出すのは、非常に難しいものです。しかし、標準化により、将来、グループ内の会計業務を切り出して専門の1社で担当するなどのシェアード化が可能になったり、プロセスがグローバルで共通になることで国をまたいだ人事異動が容易になるなどのメリットが出てくると思います。

 また、効果の出方は市場の特性によっても違うでしょう。欧州は成熟市場ですから、売上げアップよりもシェアード化などによる効率向上が大きいでしょうし、中国のように伸びている市場は、市場成長に事業をスピーディーに対応させて売上げ増をけん引することが中心になる。

 中国の場合は成長中なので「今特に困っていないのになぜITの整備を?」という意見も出てはいます。しかし今はよくても、将来売上げ規模が10倍、20倍に伸びたときに今の仕組みで対応できるかというとそれは難しい。早いうちから、今後の市場拡大に備えておくことが重要だと話しています。

previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

KEY PERSON interview

グローバルIT企業のトップが語る「世界のITマーケット潮流」、IT化で業績を上げたCIOが語る成功の秘訣など、ITに関する話題の人と企業の生の声を適宜お届けします。

「KEY PERSON interview」

⇒バックナンバー一覧