その1:寝る前は「テクノロジー」を遮断する
入眠準備の時間に、PC、タブレット、スマートフォン、テレビを切る。これらのデバイスが発する人工光を浴びる量を制限するのだ。眠る直前までデバイスを手放せない人は、無料ソフトのf.luxやナイトシフト(マッキントッシュやiPhoneの夜間モード)などを利用すれば、デバイスの光源の色味を暖かくし、ブルーライトの量を軽減できる。
しかしこれだけでは、就寝前のデバイス使用によるストレスや脳の覚醒が続くといった他の問題点は解決できない。
眠る直前までメールやメッセージに返事をしていると、ストレスのかかる可能性のある状況に自分をさらし続けていることになる。ベッドに入る15分前に受信したメッセージが、眠ろうとしても頭の中で回り続けるかもしれない。メッセージを送った相手から返事がくるまでもやもやして寝つけないことも考えられる。コントロールしようがないぶん、こちらのほうが厄介かもしれない。
解決策として、メールやメッセージの受信には「門限」を決めよう。最低でも眠る90分前にはメールチェックをやめると決めれば、ストレスのかかる状況に陥る可能性を減らすことができる。
自分が送ったメッセージの返事が気になってしまう人は、メッセージを下書き保存しておき、翌朝に送るのも手だ。手紙にたとえるなら、切手を貼ってあとはポストに投函するだけの状態にしておくわけだ。
このようにすると、「自分の営業時間」を自分でコントロールできるようになる。午後10時のメールには必ずしも返事ができない、と先方に理解してもらうのだ。
もちろん、私用のメッセージの扱いは少々ちがう。これからもっと仲良くなりたいという恋人候補がいる人は、相手からメールが来るかもしれないのに、眠る90分前にスマホを遠ざけるわけにはいかないかもしれない。
そんな人は「パソコンとタブレット類をオフにする」「仕事のメールを“店じまい”する」「アクション映画やシューティングゲームをベッドで楽しむのはやめる」など、就寝前のデバイスの使用を、手始めに、まずひとつ減らしてみるのがいいだろう。
すでに、デバイスのコントロールを上手に実践できている人もいる。私が見かけた例を挙げよう。
・メールの署名やオフィス外からの返信に「メールは1日に3回のみチェックしています」とのメッセージを添える。
・文面に、週7日24時間つながるメールではない旨を明記する。
このような対策をしている人は、わりと楽にデバイスを遮断できるはずだが、そうではない人にとっては、たんに「寝る前にデバイスを使わないでください」と言われたところで、実行に移すのは難しいかもしれない。やめかたがわからないまま実践するのは、無理というものだ。
そんな人にまずやってもらいたいのは、1日に何回、どんな目的でデバイス(テキストメッセージ、電子メール、通知機能、SNS)をチェックしているかを数えてみること。