仕事内容に合わせて「ノートの役割」を変える

大嶋祥誉(おおしま・さちよ)/センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、様々な戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。著書に『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』など多数ある。

大嶋 西村さんはリクルートを辞めてから東京電力に行かれ、その後、独立し、さまざまな企業でコンサルティングをしていますが、そこでもノートを使っていますか?

西村 リクルートをはじめサラリーマン時代はどちらかというと「自己管理」のためにノートを使っていましたが、独立してからは「共有」「整理」「発散」のためにノートや小さなホワイトボードを使う機会が増えました。

大嶋 それは興味深い変化ですね。

西村 そもそもリクルート時代はパッケージされた商品を売っていたので「何をすべきか」というより「どう売るか?」がメインのテーマでしたので、やるべき事はある程度は決まっていました。だから、スケジュールに合わせて「to doリストを実行する」ということ自体が重要だったんです。その後のキャリアでも、概ね、あるタスクや目標達成のために「何をやればいいのか?」「いつまでやるのか?」かが多かったように思います。

 でも、独立すると、やるべきことが決まっているわけじゃない。なので「何をやるのか?」「それは、やりたいか?」「では、何故それなのか?」を考えるというほうがはるかに重要です。

「質の高い to do」に落とし込むために、クライアントとのやりとりをホワイトボードで共有したり、状況、情報の整理をしたり、自分なりにアイデアを発散したりするためにノートを使う。そういう場面が圧倒的に増えました。

大嶋 すごくわかります。「行動管理ツール」から「思考・創造ツール」へと、ノートの役割が変わったんですね。

西村 まさにそうです。

大嶋 クライアントとのミーティング、あるいは、自分1人で考えをまとめたり、アイデアを膨らましたりするときも、「書く」という行為そのものの重要性は大きいと感じますか?

西村 二つの意味で「書く」という行為は非常に重要だと感じます。