後半38分のフォワードは、すぐに結果を出すことが求められる
岡崎ビジネスサポートセンター・OKa-Biz センター長/NPO法人G-net理事(創業者)
1979年生まれ。大学在学中の2001年、21歳で地域活性化に取り組みたいとG-netを創業。
中小企業支援と若者をつなぐ長期実践型インターンシップ事業を立ち上げ、高校教科書「政治経済」に掲載されるなど高く評価されている。一方、中小企業支援をf-Biz・小出宗昭氏に師事。2013年よりOKa-Bizセンター長に就任。4年間で8000件を超える相談を受け、売上アップをサポート。3~4週間の相談待ちがでる人気の相談所となっている。経済産業省「キャリ教育アワード」優秀賞、「ものづくり日本大賞」優秀賞などを受賞。早稲田大学社会連携研究所招聘研究員・内閣府地域活性化伝道師。経済産業省「地域産業を創り出す33人の演出家たち」のうちの一人として、また雑誌「AERA」や書籍『社会起業家になる方法』では、日本の主な若手社会起業家の一人として紹介されている。
サッカーの試合では、最後の数分に得点の期待を込めストライカーとして、フォワードの選手入れ替えがよく行われますよね。しかし考えてもみてください。実力的には足りないからレギュラーではなくて控え選手なのです。そして、すでに前後半合わせて80分近くゲームが進んでいて、しかし最後の数分に投入されるわけです。他の選手との連携や温度感などをじっくりと確認したり意思疎通していると、あっという間に試合は終わってしまうでしょう。
つまり馴染んだり、感覚を擦りあわせたりする間もない。そして、一人ひとりと戦術について確認することもなく、得点という結果を出すことが求められているわけです。
入社前後に、その会社や業界、顧客について徹底的に調べてみることもできるでしょう。会社のスタッフ一人ひとりに声をかけて、ひとりずつ順にランチや飲みに誘い、会社や職場について、自身についてじっくりと語り、関係をつくっていくこともできるはずです。
まずは担当業務が少なく身軽なうちに、誰も手がついてなかった仕事に着手していくということだってできることでしょう。
僕自身も、以前数十人がチームとして動くあるプロジェクトに社長室長といったポジションで急遽参加することになったことがありました。3ヵ月程度の短期決戦、周りは知らない人ばかり。しかし呼ばれて参画したからには結果を出さなきゃいけない。社長のすぐそばにいて、司令塔的にチームメンバーに役割をお願いしたり、状況を集約して社長に報告することが求められるポジションでした。
まずは、個々の人間関係を作ろうと毎晩チームメンバーを誘っては食事や飲みに行きました。振り返ってみれば、3ヵ月間で誰とも飲みに行かず直帰したのは4日間のみでした。
またプロジェクト参加初期は、空き時間を見てはどんどんヒアリングをして状況把握に努めました。チームに加わって直後の担当業務の少ないタイミングで、ヒアリングから「重要だけれど誰も担当していない」案件を絞り込んで、少しでも成果を出せるように取り組みました。もちろん指示を受けてではなく、自身で動いてです。
もちろん業務の中でわからない言葉にも出会います。だからこそ、いつも小さなメモ帳を持ち歩き、わからない言葉や気になったことはすぐにメモをして、その後に調べてみたり、スマホでその場でネットショップを開き、関連する書籍をすぐ購入して目を通したり。勤務時間外も含めて、早々に状況をキャッチアップして、そして成果を出せるように自身でどんどん動いてみることが重要だと思います。
まさに後半38分のフォワードは、すぐに結果を出すことが求められるのだから。
こうしてほんのちょっと視点を変えてみるだけで、中途で働くという感じ方も変わるのではないでしょうか。