ここにきて、海外の自動車メーカーの投資はほぼ一段落した。そこで中国政府は“NEV生産に特化した合弁工場”に限って外資の出資比率50%の規制を緩和した。同時に、従来の「合弁は2社まで」という規制を撤廃し、NEV関連の工場は特例扱いになった。すでにVWとBMWは電池や制御ユニットなどを生産する専用工場を新規に開設した。

 興味深い点はNEV関連施設として、申請あるいは進出が検討されている合弁工場の建設予定地だ。すでに自動車工場がある都市ではなく“内陸部の地方都市が中心”という。中国政府は、上海や広州など沿岸部の大都市に比べて発展が遅れている内陸部にNEV工場を誘致し、経済発展につなげたい考えだ。

イラスト:安田雅章

 NEVを20年代の経済発展に利用するという意図は、NEVにハイブリッド車が含まれていない点にも表れている。ハイブリッド車は、すでに日本勢が量産しているほか、欧州でもCO2(二酸化炭素)排出規制への対応で各社が導入を予定している。すでに技術が確立されているハイブリッド車は中国企業の出番が少なく、新規投資が呼び込みにくい。BEVなら中国企業が活躍でき、中国を世界のBEV工場にすれば輸出が期待できるという読みがある。

EUの燃費規制に似ている
中国のNEV規制

 実際、中国には世界中から電動車の開発プロジェクトが集まっている。北米や東欧の新興企業、学生が起業したベンチャー企業に中国の投資家が出資している例は多い。「内燃機関エンジンは日米欧に絶対かなわないが、電動車は中国が先頭に立てる可能性がある。だから投資する」という。そして、中国国内で電池やモーターなどNEV関連のユニットを量産し、それを海外メーカーが採用すれば大きな経済効果をもたらす。