損を出しても「損益通算」や「繰越」など
税金での救済措置はなし!

 ここまではビットコインで利益が出た場合についてお話ししてきましたが、では損失が出た場合はどうなるのでしょうか。

 まずビットコインとアルトコインなど、仮想通貨同士の損益の相殺は問題なく行えます。たとえば、ビットコインで30万円の損失、ほかの仮想通貨で100万円の利益が出ていた場合、100万円-30万円=70万円が「課税される所得金額」となります。もちろん、ビットコインで利益が出ていて、ほかの仮想通貨で損失が出ていた場合も、損益を相殺できます。

 また、仮想通貨に限らず、ビットコイン等による所得と同じ「雑所得(総合課税)」であれば相殺できます。雑所得(総合課税)の代表的なものとしては、「副業による収入」「公的年金」「生命保険会社などの個人年金」などが挙げられます。公的年金を年間300万円受給していて、ビットコインによる損失が100万円あった場合、300万円-100万円=200万円が課税対象となります(この計算の後、前ページのように、雑所得以外の総合課税の所得と合算して税額を計算します)。

 ただし、同じ雑所得でも分離課税であるFXの損益とは相殺できません。もちろん、給与所得などほかの種類の所得との相殺もできません。いわゆる「損益通算」は行えないルールになっています。

 また、株や投資信託、FXでは、赤字が出た年でも確定申告しておくと、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越すことができます。その間に利益が出た年があった場合、繰り越した損失と相殺して、税金を節約することができます。ところが、この損失の繰越控除の制度は、ビットコイン等には適用されません。

 このようにビットコインは値動きが激しいだけでなく、損失が出た際の救済措置についても、非常にシビアなものになっています。

脱税や申告逃れは厳禁!
逮捕など厳しいペナルティも

 税率が高く、損失が出た際の救済措置も少ないとなると、利益が出てときに少しでもお金を残しておきたいと思うのは当然の心理ですが、過少申告や無申告には厳しいペナルティが待っています。

 申告期限内に確定申告をしたものの、税務署からの指摘により申告内容に修正が必要となった場合には、「過少申告加算税」が納付税額×原則10%かかります(自主的に申告した場合は不要)。また、申告期限内に確定申告をしておらず、税務署からの指摘によって申告した場合には、「無申告加算税」が納付税額×原則15%(自主的に期限後申告した場合は5%)。わざと計算の基礎となる所得を隠して申告した場合には、「重加算税」として納付税額×原則35~40%が加算されます。

 FXなどの例では、逮捕者が出たこともあります。利益をたくさん出た人ほど、税務署のチェックも厳しいですし、ペナルティ額もとんでもない金額になってしまいます。税務署がその気になれば、必ず調べがついてしまいますので、必要経費だと思って期限内に納税することをお勧めします。

 ビットコインほか仮想通貨の確定申告は、今回が実質初です。次年度以降、税制の見直しが行われていく可能性もあります。いち早く情報をキャッチして、脱税ではなく、節税でトクしましょう。