速く読んで、理解力を高めて、結果を出す

 このようにして、「本×環境×経験」の掛け算をしていき、理解力を高めていきます。書いてある内容を自分に置き換えて、課題解決に向けたアクションイメージをより鮮明に描きながら本を読み進めることができるのです。そして、アクションに移すときの不安感が解消されて行動力を上げることもできます。

 また、本を読むスピードが速くなることで、実際に行動するための時間が生み出されます

 自己成長につながるアクションを起こすためのイメージが描け、さらにそのアクションを起こす時間も確保できるようになると、さまざまな効果が期待できます。

 まず、集中力が切れる前に1冊を読み切れるようになることです。

 本に書かれている文章をそのまま覚える必要はないことを知ったので、1冊を読み切ることが楽になり、読み切った達成感を味わう頻度が増えます。

 そして、「1冊を読み切ることができる」自信がついてくるにつれて、一見難しそうに見える本を読むことに対する精神的なハードルが下がってきます。「難しそう……」と思って、今まで避けてきた本を手に取るようになれば、あなたの見識はさらに高まるでしょう。

 高まった見識と、それに対する周囲の環境変化や経験の蓄積が掛け算されることによって、本に書かれている内容をしっかり覚えることが可能になります。

 また、速く読むことが習慣になると、時間感覚が鋭くなってきます

 速く読もうとすると、時間を意識するようになり、本を読んでいるときはもちろん、仕事の作業時間や日常生活での隙間時間にも意識が向くようになります。

「同じ時間でも、より生産性の高いやり方はないか?」とか「電車の待ち時間でできることはないか?」など、時間を有効活用しようとする意識が生まれます。

 それが、本、環境、経験、それぞれの要素を高めるために必須となる、アクションに変えていくための時間リソースを生み出すことにつながるのです。

 もちろん、イメージした疑似体験によって、行動に変える不安感も薄れている状態になり、かつ時間的な余裕も感じられる状態になると、メンタル面でかなりの余裕が生まれます。アクションの質も高まり、「本×環境×経験」はさらに加速していきます。

 このように、速く読むことによって、結果的には記憶に残すことができます。

 さらに読んだ内容を活かすために考え、実際にアクションに変える時間も生み出すことができるので、あなたが抱えている問題や課題を解決し、自分をさらに高めていくことができるようになるのです。

なぜ速く読んでも覚えられるのか?<後編><br />

■参考文献
「速く読んで覚えられる最強の読書術」