高齢者は、普通65歳以上で区分されるが、定年制や年金制度上では、60~64歳が、高齢者にいたる推移段階として特殊な年齢だ。また、高齢期以前のデータとも対照させたいということもある。そこで、図2には、高齢期に入る前の55~59歳から5歳ごと、70歳以上までの区分で、男女の労働力の推移を描いた。

日本は主要先進国の中で最も高齢者が働いている国だ©本川 裕 ダイヤモンド社 禁無断転載  拡大画像表示

 これを見ると、男性と女性とで状況はかなり異なっているが、共通する面もある。

 男性については、50歳代後半では、90%超の者が働く状況に変化はない。ただし、1990年代前半には、労働力率がやや上昇している。これは、当時、企業の定年制が55歳から60歳へと伸びつつあったためだと考えられる。

 60歳以上では、戦後、労働力率はほぼ一貫して低下傾向をたどってきた。定年のない農業や、自営業の割合が小さくなるとともに、年金などの社会保障が充実してきて、生活のために働く必要が薄くなってきたためと考えられる。

 ところが、2005~06年頃に変化が訪れた。60代の前半や後半では、労働力率が反転、上昇する傾向に転じたのだ。70歳以上では、反転はしなかったものの、下げ止まって横ばいに転じた。