ジャンルに興味はない!
「人」しか興味はない!
私がこれまで担当した書籍は、134冊。4月5日発売のビジネス青春小説『マルチナ、永遠のAI。~AIと仮想通貨時代をどう生きるか~』で135冊目になる。
1998年から書籍を創り続けて今年で20年。ビジネス実用、自己啓発、会計、経営、経済、不動産、語学、理工、IT、占い、歴史、スポーツ、子育て、日めくりカレンダー、そして初の小説……。
これまで、あらゆることに首を突っ込んできた。
「専門ジャンルはなんですか?」
よく聞かれるが、そんなものはない。
あるとすれば、人。
ジャンルに興味はない。
人しか興味がない。人はジャンルを超える。
だから、私は徹底的に「人」にこだわる。
これまで下は20代、上は90代まで、実に、年齢差70歳の著者と接してきた。
男女差、キャラの違いを超えて私は著者を攻める。攻めて攻めてファースト読者である私がとことん面白く欲情するものを創る。
その点、処女作は燃える。燃えたぎる。
何もない白のキャンバスに縦横無尽に絵を描いていく。
これだ! という人がいれば、日本全国、世界中、どこでも急行する。
だが、料理本はこれまで一度も作ったことがない。
しかも、料理をするのは、週末ランチのチャーハンくらいだ。
こんな私に、果たして料理本は作れるのか?
(それは無理だろう。やめときなさい!)
そんな悪魔のささやきが聞こえてくる。
しかも「伝説の家政婦」志麻さんは、当時、1冊も書籍を出していなかった。
実現すれば、著者を代表する初めての本、つまり「処女作」となる。
処女作は著者の運命を決める。
私は、そう肝に銘じ、これまで18作の単著処女作に携わってきた。志麻さんで19作目の処女作となる。
普段なら躊躇しただろう。
絶対行かなかったはずだ。
しかし、そんなことはどうでもよかった。
志麻さんという類まれな才能に出くわし、いてもたってもいられなくなったのだ。
そこで、私は発想を変えた。志麻さんの魅力が惜しみなく伝わり、こんな私でも簡単にできる料理本にしようと。