何事にも“きっかけ”というものがあります。

 日常の些細な出来事にも、何かしら“きっかけ”はあるし、何か特別なことにも“きっかけ”はあるものです。そして、素晴らしい出来事や歴史に残る出来事の“きっかけ”が全くの偶然から始まった、ということもあります。そこらへんが人生の機微というものかもしれません。

 そこで、その偶然の“きっかけ”が凄い出来事につながる、ということを改めて考えてみます。

 例えば、アルキメデス。

 神殿に捧げる黄金の王冠に混じり物が入っていないかどうかを調べるよう依頼されました。なかなか妙案がなく、四六時中、どうやって調べるかを考えていました。そんな或る日、入浴中に、湯船に漬かると、水が押し出される様子を見て、閃いたのです。「ユーレカ(Eureka=わかったぞ)」と叫んで、素っ裸のまま飛び出し難題を解決した、という逸話が残っています。アルキメデスの原理の発見です。

 偶然の“きっかけ”は、偶然のように見えますが、実は、完全なる偶然という訳ではないのかもしれません。十分な積み重ねがあればこそ、偶然の出来事が偉大な発見や発明の“きっかけ”になる、ということなのでしょう。

 と、言う訳で、今週の音盤はディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」です(写真)。

 世界中のエレキギターを弾いたことのある人で、この曲を知らない人は皆無ではないか、と言いたくなるハードロックの名曲です。そして、この曲の誕生の“きっかけ”には、なかなかのドラマがあったのです。