三条ものづくり学校では、プラモデルで有名なタミヤのロボットスクールや、工場蚤の市として地区の工場やクリエイターが出展、「あと一歩」のところで製品にならなかったものや、工場の隅で埋もれていた製品などを出品するなど“ものづくり”“工場”を軸にしているのである。

「工場の祭典」は昨年は当初の倍、100の事業所が参加するまでに至っており、昨年は4日間の会期中5万人以上の来訪者を集める人気ぶりである。

 燕三条地区はいわゆる生活に関係した金物、ハサミや鍋、爪切り、園芸用品などの有名な産地であり、そうした生活に密着した商品を販売しているため、地区の物販も当初に比べて10倍以上という経済効果も広がっている。

 最近ではこの「工場の祭典」の時ばかりではなく、通年で観光客や見学客を受け入れる町工場も増えており、現在では十数ヵ所の事業所に及ぶというから、いつ行っても工場の見学ができるというわけだ。インバウンドも増えているといわれる。

地域の農業者も相乗り
農場や果樹園にも展開

 さらに最近は地域の農業者も相乗り。「工場(こうば)」ならぬ「耕場(こうば)」と称して、工場見学に来た観光客を誘客すべく、農場や果樹園で収穫体験や試食なども展開して、工場という枠にとどまらない交流の輪が広がっている。

 既存の観光コースに飽き足らなくなっている中国人観光客をはじめとしたインバウンドには、日本の隠れた穴場として有名ホテルのコンシェルジュも着目、インバウンドの富裕層などに情報を提供し始めているという。

 また、全国で工場を観光資源とした取り組みも相次いでいる。全国一の工場密度のある大阪府の東大阪市でも、インバウンドで工場を見てもらおうという取り組みが始まっており、地域の中小製造業が旅行会社と組んで「町工場早まわりのモニターツアー」を実施した。のちにインバウンドを呼び込む意味もあってか、まず外国人留学生を対象に試行、1日6社を見学した。職人技の見学や製缶加工会社では溶接の体験も実施し、ものづくり体験も行った。