一方的に聞く授業は消滅へ
受け身型人材は減っていく

 大学入試共通テストをにらんで、高校では教える内容がさらに高度になり、詰め込むべき知識もさらに増えていくという。ただし、「目的や意味を見出せない苦学」ではなく、実社会とつながりがある学びである。「勉強したことが社会でこう繋がっていくんだという実感によって、学びに対して積極的になることが期待できます」と藤井氏。このような受験勉強を経ることで、どのような人材が増えていくと考えられるのだろうか。

「入試改革にともない、高校の授業もいわゆる双方向的なアクティブラーニング型、つまりインプットとアウトプットの両方を訓練することになります。従来のレクチャー型だと、受け身の生徒が増え、教師も本当に理解しているのか把握しにくいという欠点があります。しかし、制度設計から考察すると、これからは主体的に頭を使えるように鍛えられるので、自ら考え、機会を創出しながら仕事に取り組む人材が増えることが予想されます」

 こうした人材をどのように活かしていくのか、受け入れ側の企業にも、意識改革が求められるという。

「一芸に秀でていたり、活発に意見を述べたりと、多様な人材が増えていくと思います。そのため、学歴重視に偏るのではなく、これまで以上に、自分たちが求める人材をしっかりと選別すること、そしてターゲットとなる学生にメッセージがしっかりと届くようにリクルーティングする技術が問われてくると思います」

「また、これまでは1つのことを実直に積み上げる力があり、ストレス耐性もある人材が優秀とされてきましたが、これからはイノベーションが求められる時代です。そのため、新しいことに頭を突っ込んで色々な人と積極的に繋がって、ワイワイ楽しく生きている学生の方が優秀だと定義されるようになると思います」

 戦後最大の教育改革だと言われる20年の大学共通入試テスト。さらにその先には、学習指導要領の改革が控えており、21年度からは、中学の英語授業は原則すべて英語で教えることになるなど、大きな改革が控えている。目まぐるしく世界が変わる中、この入試改革が日本の未来をどう変えていくのか、教育現場の力量が問われている。