なぜ、コンパニオンAIは
電話の取次ぎができるのか?
あなたが、コンパニオンAIが受付をしている会社の代表電話に電話して、
「システム部2課の大村あつしさんはいますか?」
と聞いたとします。
この場合、もしコンパニオンAIが丸暗記システムのAIであったら、「いますか?」と聞かれているわけですから、「います」か「いません」としか答えようがありません。
しかし、意味ベクトル方式の潰しが効くコンパニオンAIなら、
「はい。大村と電話を代わります」
と答えることが可能です。
なぜなら、「電話で所在を聞かれることは、その人に電話を代われという催促である」という意味ベクトルが組み込まれているからです。
これが、意味ベクトル方式の凄さなのです。
もっとも、コンパニオン用にAIを開発するのであれば、「います」という返答ではなく、即座に電話を取り次ぐように丸暗記をさせるでしょうが、いずれにしても、丸暗記AIでは応用が利かずに、せいぜい道案内くらいしかできないでしょう。
それに対して、意味ベクトルAIは、会話を重ねれば重ねるほど、より自然で精度の高い会話ができるAIに成長していきます。
こうした自力学習をする「子どものAI」。
一方で、ヒトが一から教えて丸暗記させる「大人のAI」。
同じAIといえども、両者でどれほどの違いが出るのかは、第1回連載の中で「子どものAI」である「Google翻訳」と、「大人のAI」である別の翻訳サービス(X翻訳)に同じ英文を日本語に翻訳させて、まったく異なる結果になるケースを紹介しています。現在一番人気の第2回連載「近い将来、『税理士や翻訳家は失業』という予想は大間違い」と併せてお読みいただけたら、望外の喜びです。