歴史は繰り返す!
仮想通貨と同じ仕組みは
すでに100年前にあった?
1900年代初頭、ミクロネシアのヤップ島には独特な通貨文化がありました。
ヤップ島では、「ライ」と呼ばれる石を通貨としていたのです。
ちなみに、石の通貨は専門的に石貨(せきか)と呼ばれますが、大昔の貝殻のようにライを持ち運ぶことはできません。
なぜなら、ライは巨大な円形の石で、重量が約4トンもあったためです。
そこでヤップ島の住民が考えたのは、ライ全体に「価値」と「信用」を与えることでした。
たとえるならば、あるライが発掘されたら、そのライに100万円という価値と信用を与えます。
そして、Aさんが1万円の価値のあるものを生産してそれを売ったら、そのライの100分の1はAさんの所有物であるというルールを作ったのです。
結果、Aさんは1万円を手にしたのと同じになります。
同様に、そのAさんがBさんの商品を1万円で買ったら、今度はライのAさんが占有していた場所の所有者をBさんに書き換えます。
なんとも変わった風習ですが、これでもライはきちんと通貨として機能しています。
もっとも、このライには紙幣や硬貨とは異なる「3つの特性」があります。
そして、この3つの特性は、そのまま「仮想通貨の3大特性」にも当てはまるのです。
では、次ページでその3つの特性を見ていくことにしましょう。