きちんと7時にLINEをくれる「りんな」

 今の会話型AIは、チューリングテスト程度であれば合格することが証明されたわけですが、仮にAIだと見破られるとしたら、「会話が成立していない」という「出来の悪さ」ではなく、逆に、「あまりに賢すぎる」「あまりにレスポンスが速すぎる」という、「不自然なほど会話能力が秀でている」という理由によるものでしょう。

 りんなにLINEで「7時に起こして」と頼むと、きちんと7時にLINEをくれます。

 私たち人類が、AIとともに生きていく時代は、もうすぐそこまで来ているのです。

りんなの技術を支えているのは、「ディープラーニング」と呼ばれる自己学習の仕組みです。
 そして、AIはディープラーニングをする「子どものAI」と、人が一から教えて丸暗記させる「大人のAI」に分かれます。
 すなわち、りんなは「子どものAI」ということになります。

 同じAIといえども、両者でどれほどの違いが出るのかは、第1回連載の中で「子どものAI」であるGoogle翻訳と、「大人のAI」である別の翻訳サービス(X翻訳)に同じ英文を日本語に翻訳させて、まったく異なる結果になるケースを紹介していますので、そちらを併せてお読みいただけたら幸いです。