「好きを仕事にしたい」「もっとお金と時間が欲しい」「理想のライフスタイルを手に入れたい」……。あなたも、こんなことを心の中で願っていたりしませんか? どうすれば思い通りの人生を手に入れられるのでしょうか。このたび、ダイヤモンド社から『欲ばりなほど ぜんぶ叶う』を上梓した岩科茜さんは、結婚して子育て中の27歳のときに、時間なし、資金なし、人脈なしというゼロの状態から起業し、人気アパレルブランド「Myu」を立ち上げました。現在、リモートワーク中心の6人のスタッフと共に年商2億円を稼ぐ女性起業家が夢を実現するために必要なマインドと行動についてお伝えいたします。今回は、人気アクセサリーブランド「Lily’s Handmade」のオーナー兼デザイナーの小林有里さんと岩科茜さんの対談を、2回にわたってお届けいたします。

通勤電車に乗るのが嫌だったら、<br />起業しちゃえばいいのに岩科 茜さんと小林有里さん

お腹が大きいときに起業準備をして、出産後2週間で仕事に復帰

岩科 この度、初めての本を出したんですよ。

小林 早速、読みました。とても読みやすく、わかりやすいですね。これから起業したい人や自分なりのビジネスを始めたいという人に、とても参考になると思います。

岩科 本当ですか。うれしい。ありがとうございます。

――そもそも、お2人の出会いは、どういうきっかけだったのですか?

通勤電車に乗るのが嫌だったら、<br />起業しちゃえばいいのに小林有里(こばやし・ゆり)ジュエリーデザイナー。1984年東京生まれ。2児の母。不動産会社で現在のご主人と出会い、結婚・出産後に退職。ママ雑誌の読者モデルをやりながら、ハンドメイドアクセサリーブランド「Lily’s Handmade」を立ち上げる。現在、同ブランドのオーナー兼デザイナーとして忙しい日々をおくる。人気インスタグラマーとしても知られる。フォロワーは6万2000人。

小林 小学館の「SAKURA」というママ雑誌(現在は休刊)で、私が読者モデルをやっていたときに、たまたまMyuさんで買ったかわいいストールを身につけて親子で撮影してもらったんですけど、それが割と大きくページに掲載されまして。それでうれしくなって、「こんなに大きく載ったんですよ~」とSNSでつぶやいたら、そのあと岩科さんから直接、アメブロを通じて御礼のメッセージをいただいたんですよね。そこからのお付き合いです。

岩科 小林さんがつぶやいてくれたおかげで、あのストールすごく売れたんですよ(笑)。

小林 貢献できて、うれしいです(笑)。

岩科 あの当時は、2人ともまだ起業したばかりで駆け出しの頃でしたよね。

小林 あのとき岩科さん、たしか出産するとかしないとかの大変な時期でしたよね?

岩科 そうなんです。ネット通販自体は、個人事業ですでに始めていたんですが、第二子を産む2週間くらい前に会社にしようと思って起業準備をしていたんです。それで出産して2週間くらいで戻って、また仕事をしてという感じでした。

小林 その経緯はブログでずっと読んでいたんですけど、「出産してすぐ起業!?」って、本当に驚いちゃいました。

岩科 お腹が大きいときから、起業準備は家でやっていたんですよ。起業してからこれまで、いろいろと知恵を絞ってやってきましたけど、これから起業したいという女性に向けて、何かサポートというかお役に立てないかと思い、今回、本を書くことにしたんです。

小林 そうだったのですね。

失敗したらしたで、そこから学べばいい

通勤電車に乗るのが嫌だったら、<br />起業しちゃえばいいのに岩科 茜(いわしな・あかね)株式会社Mchic (エムシック)代表取締役 ファッションブランド「Myu」オーナー。1983年生まれ。静岡県出身。高校中退。東京、静岡でアパレル店員および店長を経験し、23歳で結婚を機に退社。2児のママで専業主婦だった27歳のとき、個人事業主として起業。プチプラ+ハイブランドなどのおしゃれなコーディネートをSNSで発信し、働くママや子育て中のママから高く支持される。2015年に株式会社Mchicを設立し代表取締役に。ママ目線の洋服作りが口コミやインフルエンサーの間で人気を呼び、ファッション誌とのコラボ企画や雑誌掲載、TV番組との衣装契約と大人気。リモートワーク中心のスタッフ6名と共に、婦人服と子ども服サイト6店舗を展開し、年商2億円に到達する。現在、東京を中心に、「自分らしく起業して、楽しく自由に稼ぐ」をテーマとした講演やセミナー、コンサルティングを行う。自分らしく、自由な働き方をサポートする起業プログラムは好評で、月商100万円未満のビジネスが、月商500万円以上のビジネスへと変わった等の成功者が続出。好きで得意なことを活かしたい起業家、OL、専業主婦といった多くの女性たちをサポートしている。インスタグラムフォロワー9000人。

岩科 起業するとき、プレッシャーとかストレスってありました?

小林 それは、ありました。私はプレッシャーにすごく弱いんです。だから、失敗しないようにあれこれ事前に考えてから行動に移しました。でも、岩科さんを見ているとプレッシャーに強そうというか、それをバネにしている気がしますけど、どうなんですか?

岩科 私、鈍感なのかな。プレッシャーって感じないんですよね。だから、いいなと思ったらすぐ行動しちゃいますね。失敗したらしたで、そこから学べばいいやって考えているので…。小林さんは、すごい繊細ですよね。その繊細さがアクセサリーのデザインにも出ていると思います。

小林 ありがとうございます。

岩科 自分では短所だと思っている所が、他人から見れば長所だったりするというのはありますよね。人それぞれだから、自分のいいところを生かしてビジネスにできればいいのかなと思います。

小林 本にも書いてありましたけど、基本的には、家の中で仕事をしているんですよね?

岩科 そうなんです。私、お家がすごい好きなので、できれば外に出たくないんですよ。小林さんも同じですよね?

小林 そうそう。出たくないです(笑)。

岩科 そういう女性は、家で起業するというのはいい選択だと思います。家にいながら起業して、自由な形で働いてみたら、何とでもなるというか……。たまに通勤電車に乗ると、サラリーマンの方とか皆つらそうな顔して乗っていますけど、それなら、家で起業するという選択もありではないかと、いつも思うんですよね……。

小林 そうかもしれないですね。

まわりにいるママ友から起業ノウハウを学ぶ

岩科 小林さんは、そもそも、どうしてアクセサリーデザイナーになったのでしたっけ?

小林 就職して不動産会社に入ったんですけど、そこで今の主人と知り合い結婚・出産して、退職しました。それからずっと家にいるようになったのですが、そうなると社会との隔たりをすごく感じるようになって……。それで、奇跡的に子どもを保育園に入れることができたので、そこから歯科助手のパートを始めたのです。

岩科 知らなかったです。

小林 それで、ある日、たまたま表参道を家族3人で歩いていたら「読者モデルやりませんか?」と声をかけられまして。それが7、8年前のことです。そこからがスタートで、それで雑誌に出るようになって、だんだん起業する流れになっていったという感じです。

岩科 そうだったの。

小林 友人の知り合いが美容師さんが使う革製のシザーケースのブランドをやっていまして、その皮の切れ端がたくさん出るそうなのです。それで、友人との会話の中で「それってエコじゃないよね」という話になり、「あなた、これで何か作ってみたら」と言われたのでサンプルを作ったら、それが思いのほか好評で……。それでブランドを立ち上げることにしたのです。

岩科 最初は、何を作ったの?

小林 切れ端のレザーを使ってバレッタとかピアスとかを作って、お店に置いてもらいました。今は、自社サイトを通じて販売しています。その後、「SAKURA」が休刊になりまして、同時に下の子が生まれてますます自由がきかなくなったんですけど、ネットショップをやっていることで外とのつながりを感じられますし、楽しみながら仕事をしています。

岩科 起業して、すぐに軌道に乗ったようですけど、ノウハウとかはやりながら学んだの?

小林 まわりに自分で起業してブランドを立ち上げたママ友がいたので、そういう人にやり方を教えてもらって、自分でサイトを立ち上げてやりました。アクセサリーのデザインも制作も自分でやっています。私、子どものころからお家が好きで、家にいるときは細かいものとかをずっと作っていたんです。だから、もともと小さいものを作ったりするのが好きだし、得意なので。

岩科 最初から、順調に売れましたか?

小林 読者モデルをしていたので、雑誌が広告替わりになったというか、自分で作ったアクセを身に着けて写真を撮ってもらうことで、それを見た読者の方から注文が来たりとかですね。

私が起業した理由

小林 改めて聞きますが、岩科さんは、どうして起業したのですか?

岩科 私の場合は、楽しいことや自分の欲望に素直なので、やりたいこと、やりたくないことをノートに書いていったら、残ったのが起業しかなかったということですね。楽しそうだからやってしまえ、という感じです。でも、起業を決めた日の夜は、「もうこれでがんばり続けなきゃいけないんだな」と、ちょっと恐怖を感じましたね。

小林 私は、主人の存在が大きくて、外で働いて基盤を作ってくれているので、子どものことだけきちんとやってくれれば、あとは自由にしていいよと言ってくれたので、ならやってみようかなと。かなりドキドキして、石橋を叩いてから始めましたけど。

(撮影:宇佐見 利明)

つづく