実質値上げなのに、
客数が減らなかった理由

 なぜ、実質値上げなのに、客数が減らなかったのか。

 まず定員15名を12名に変更して、ひとりあたりの指導時間を濃くした。
 その分、お客様満足度は高まっていて文句は出ない。
 日数が減った分、開催数は増えているので売上は上がった。

「実践経営塾」は内容が濃く、10回以上受講する社長が多い。
 そこでリピーターのために、180万円のセミナー料金を2回目は162万円、3回目以降は1回目の半額の90万円という料金設定にしました。

 値下げになるので、社長はお得に感じます。
 しかし、実際は値上げをしています。

 じつは3回目になると、社長はすべてのカリキュラムを受けるのではなく、理解できていないところだけを選んで受講します。

 受講回数が10回以上の勉強熱心な社長になると、一度にできないと知り、カリキュラムの4分の1くらいしか受講しません。

 半額にして受講数が4分の1なら、1コマあたりの単価は値上げになります。

 ところが、お客様は値上げのインパクトを感じておらず、人によってはむしろ得をしたと思っている。

 このように、値上げと同時にほかの要素を変えることで、お客様に与える印象は変えられます。

 ぜひ、第1回連載にある、【あなたの会社の危険度ワースト「15の死角」】をチェックしながら、『数字は人格』をカラダ中の細胞に植えつけていただけたらと思います。