市民ランナーの星・川内優輝選手、数多くのJリーガー、なでしこジャパンの次世代アンダー17など、今、日本で注目を集めるスポーツ選手を続々輩出している幼児園がある。それがバディスポーツ幼児園だ。同園は30年前から独自のスポーツ教育を行っているというが、一体どのようなプログラムで子どもたちを教えているのか。また、幼少期からスポーツに特化した教育を行うことで子どもにどんな良い影響を与えられるのか。現在、誰もが知るあの名門サッカーチーム「東京ヴェルディ1969」の筆頭株主となり、同会長を務めていることでも注目を集めるバディスポーツ幼児園の鈴木威園長にトップスポーツ選手を育てる秘訣を伺った。
幼児園の園長先生が
「東京ヴェルディ」の会長になった理由
Photo by Kazutoshi Sumitmoバディスポーツ幼児園 鈴木威園長
Photo by Kazutoshi Sumitmo
石黒 鈴木園長はあのJリーグ2部「東京ヴェルディ1969」の会長でもいらっしゃるそうですね。なぜ幼児園の園長先生がJリーグの買収に至ったのでしょうか。
鈴木 バディが有名になったのは、小学生のサッカーチームが全国大会に行くようになったことがきっかけでした。ただ、全国大会に行けたのはヴェルディのジュニアチームが前年優勝し、そのおかげで東京の出場枠が2枠になったから。それで、「ヴェルディにお世話になった」という気持ちがありました。
それと同時に、現在、FC東京が豊洲にあるバディのグラウンドを借りてスクールをやってくださっているのですが、一昨年、長友選手がFC東京から抜けて負け始めてしまい、このままだとJリーグ2部に落ちてしまうという思いを抱いていました。FC東京が2部に落ちて、ヴェルディも倒産してしまう。このままでは東京でスポーツがダメになって、廃れてしまうのではないか、そんな危機感を持ちました。
今、1000人の子どもがバディのサッカークラブに入っていますが、もしヴェルディが倒産したり、FC東京が2部に落ちてしまったら、東京でサッカーをやってもダメじゃないかと親御さんが言い出すかもしれません。そこで、子どもが夢をなくさないためにも、ヴェルディに手を差し延べるホワイトナイトの役割をさせていただきました。
スポーツはできる・できないが明確
園児同士で思いやり・感謝の気持ちを
石黒 勉強に力を入れる幼稚園はいくつもありますが、バディのようにスポーツを前面に打ち出している園はあまり多くないように感じます。「スポーツ幼児園」をはじめられたのはどのような志からなんですか?