部下への説明責任を怠るな

民は之に由(よ)らしむ可(べ)し。之(これ)を知らしむ可からず。

多くの人に物事を知らせることは難しい。それを前提にして、なぜそれを知るべきなのか、という理由をしっかりと述べなくてはいけない。リーダーには、そういう説明責任がある。(泰伯第八/194)

 ここはよく「国民は何もわからないんだから、下手に情報を与えないほうがいい。政権は本当のことは隠しておいていい」などと誤って解釈されるところ。天下の孔子がそんなバカなことをいうわけないではないか。

 本来、「国民に政策を理解してもらうのは難しいと思って、その政策がどういう理由で出てきたものかをきちんと説明しなくてはいけない」というふうに、逆に読むのが正しい。

 会社だって、上の者が何の説明もなく指示を出したところで、部下は満足に動けない。下の者が「そういう理由で、この仕事をするんですね」と納得できるまで、じっくりと説明してやる必要がある。

 有無をいわせずにやらせるのは上司の怠慢でしかない。納得してやらせることが、上司の果たすべき説明責任なのである。