そして今、集中型電源依存の立地リスクが顕在化すると共に、送電網を広域運用しないことが裏目に出た。また、電力会社が市場を通さずに、つまり需要者の都合や意思を踏まえずに需給調整するため、そのやりかたは柔軟性に欠け、このままではスマートグリッドの実現も覚束ない。今こそ、集中管理型システムを自律分散型へと構造改革しなければならない(図表2)。

分散型電源導入が
電力システムを変革させる

 では、自律分散型とはどのような電力システムなのか。

 第1に、供給面では様々な分散型電源が導入される。その代表選手は再エネだ。再エネは、風力、太陽光、地熱、バイオマス、小水力など、それ自体が多様である上、立地が分散される。そもそも再エネは地域に応じて偏在しており、設備さえあればどこでも発電できるというものではない。だからこそ、地域特性が活かされる。そして立地集中リスクが下がれば、いざ事故が起きた時にも供給力不足の危険性は下がり、地域住民の被害も限定される。

 と同時に、再エネによる発電主体が多様な点も重要である。原発のような集中型電源を新規参入企業が建設することは事実上不可能で、自由化されたとはいえこれまで発電設備を建設するのは大手電力会社が中心だった。しかし再エネは、小規模かつ基本技術が確立されたものであるため、誰でも手掛けられる。

 さらに、分散型電源とは再エネだけではない。もともと分散型電源という言葉は、工場の自家発電機や地域のコジェネレーション(熱電併給システム)などを指していた。電力会社以外の主体が需要地に近いところで自給のために発電するものだったのであり、電力システムの一部という認識は薄かった。しかしこれらが電力システムの重要なプレーヤーとして統合されれば、これまでの供給者・需要家という画一的な見方に修正が求められる。