25年 給料ランキング#4Photo by Masataka Tsuchimoto

大手電力12社の2025年3月期の平均年間給与は、全ての社で前期に比べて増加した。前期に初めてトップに躍り出たJ-POWERが25年3月期も他社を圧倒した。「中3社」と呼ばれる東京電力ホールディングス(HD)、関西電力、中部電力、そして23年3月期にはトップだったJERA(東電HDと中部電の合弁)の計4社が上位の常連だが、その中では順位の変動もあった。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、大手電力12社のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

J-POWERの平均年間給与
七大総合商社に迫る勢い

 2024年3月期もダイヤモンド編集部は同じ12社を対象にランキングを作成している(『電力大手の年収ランキング【主要12社】うなぎ上りの2位JERAを上回って1位となった会社とは?』参照)。このときの注目はJ-POWER(正式名称は電源開発)だった。

 J-POWERは日本の発電大手であり、海外でもエネルギー関連事業を手掛ける。23年3月期を対象に作成したランキングでは平均年間給与は804万円で6位だった(『大手電力12社の年収ランキング【最新版】中部電力抑え初の1位となった会社は?』参照)。だが24年3月期でトップ(1045万円)に躍り出たのだ。

 これにはからくりがあって、J-POWERは24年3月期の有価証券報告書から管理職を含めた算定に変更している。積極的に情報を開示して採用力強化につなげたいという意図があったようだ。

 同社の菅野等社長はダイヤモンド編集部の過去の取材で、「電力他社はそんなに意識していない」と強調し、「国内はもとより世界各国・地域に転勤してもらう労働条件ですし、クオリティーの高いエンジニアを求めるには一定の処遇が必要。商社にあまり差をつけられるとよくないという事情もある」と話していた。

 J-POWERの25年3月期の有価証券報告書によると、平均年間給与はさらに伸びていた。七大総合商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事、豊田通商、双日)も視野に入れる勢いだ。まさに菅野社長の有言実行といえる。

「中3社」と呼ばれる東京電力ホールディングス(HD)、関西電力、中部電力、そして23年3月期にはトップだったJERA(東電HDと中部電の合弁)は何位だったのか。他の電力会社7社を含め、次ページからランキング形式で紹介する。