「有人月探査計画」は、火星探査へ向かう足がかり

 1969年に「アポロ11」号が月に着陸してから、もうじき50年になろうとしています。人類史上初めて月に人類の一歩をしるしたのは、アームストロング船長でした。そこから1972年の「アポロ17」号まで、6回の着陸に成功して、12人の宇宙飛行士が月に降り立っています。

 2018年1月、「アポロ16」号で月面に降り立ったジョン・ヤング宇宙飛行士が逝去されましたが、月に降り立った偉業はますます遠い事実となっていくようです。伝説の宇宙飛行士と言われるジョン・ヤングは「ジェミニ」「スペースシャトル」「アポロ」と3つの大きな宇宙ミッションでそれぞれ2回ずつ、計6回も宇宙飛行を行っています。スペースシャトルは、初号機の「コマンダー」でした。アポロ計画では10号で月周回軌道に、そして16号で月面に降り立ったのです。

 なお、アポロ計画は、人類が地球以外の天体に降り立った最初で、これまでのところ最後のミッションとなっています。

 アポロ計画は月に人類を送ること自体が目的でしたが、今回トランプ大統領が署名した「有人月探査計画」は、火星探査へ向かう足がかりとして月近傍に拠点を設け、月の資源利用などを目指すというシナリオになっています。月の資源を利用すれば燃料や水などを得ることができ、それを使って火星を目指したり、宇宙活動に利用することができます。

 これは、月の軌道に宇宙ステーションを拠点として設置する「深宇宙ゲートウェイ計画」です。

 アメリカでは、すでにオバマ大統領が人類を火星に送る「火星有人探査」構想を打ち出して、NASAは2030年代中頃を目標に進めています。つまり、火星有人探査という究極の目標はそのままに、まずは有人月探査を進めていく方針なのです。

 この有人月探査には、ロシア、欧州、中国なども積極的に協力しており、日本も参加する方針を発表しています。