ネットを牽引してきた天才たちは、
なぜいまテクノロジーに悲観しているのか?

 GDPRは、もはやグローバル企業や、法務だけの問題ではない。誰もがアクセスできる「共有地(コモンズ)」としてのインターネットは、これを期に大きく変わるかもしれないのだ

 すでに、ITの恩恵を受けてきたはずの多くのレジェンドが、失望を口にしている。

「誰もが自由に話せ、情報やアイデアを交換できるようになると、世界は自動的によりよい場所になるだろうと思った。ぼくはそれについて間違っていた」

『ニューヨーク・タイムズ』に「インターネットは壊れている」と題された記事が掲載された。この記事で上記のように語ったのは、誰あろうツイッターの創設者のひとりエヴァン・ウイリアムズだ。

 ほかにも、VR(バーチャル・リアリティ)というコンセプトの生みの親・ジャロン・ラニアーが「ソーシャル・ネットワークのアカウントを今すぐ削除すべき」と断言すれば、セールスフォースのCEOマーク・ベニオフは「フェイスブックはタバコ会社のように規制されるべきだ」と言う。

 果たして、このGDPRが世界にもたらす衝撃とはいかなるものなのか。

 そこからはじまる新しい社会のかたちを、私たちはどのように構想していくのか。

 インターネットの登場から20年以上が過ぎた。いま、私たち一人ひとりが、このテクノロジーについて考えることが求められているのではないだろうか。