──ひと口に金融投資といってもさまざまな種類、レベルがありますが、投資初心者のビジネスパーソンが最初にやるなら何がお勧めでしょうか。

週刊SPA!誌上での連載をまとめた「猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言」(扶桑社・1400円+税)

 やっぱり株でしょうね。ブームだからといって、わけも分からず仮想通貨に走った初心者も多いと思いますが、仮想通貨ってそもそも発行主体がはっきりしていないものですよね。つまり責任主体がないわけです。ある日突然、無効になったりとか、価値が下落してどうしようもなくなったとき、責任を取る人がいないわけです。そうなったら売ることもできない。引き受けてくれる人がいなくなるんです。だから初心者は安易に手を出さないほうがいい。

 それに比べ株の場合、仮に企業が解散したって、解散価値というものがあるんです。それに見合う株を買っておけば、倒産したって損はないんですよ。発行主体はその企業だし、流通の責任主体は証券会社だし、絶対どっかに責任の所在はあるんです。そういう意味でも、初心者は株から入るのが常道だと思います。

──勝つための秘訣、心構えを教えてください。

 株に限らず、投資でもっとも大切な要素は「資金力」と「情報」、そして「人間」の三つです。資金力はあればあるほど有利なのは当然のことですが、普通の会社員が、数千万、数億円単位の投資資金を用意するのは現実的に無理があります。

 では、どうすればいいのか。情報をつかむしかないんです。ただ、情報にも優先順位があって、株式投資で重要な情報とは、たとえば会社自体のファイナンスや資金調達情報などがあります。さらに資金調達にも種類があり、増資の場合、公募なのか、株主割当なのか、第三者割当でやるのか。こういった情報が極めて重要になってくるわけです。それをいかに取りに行くかが勝負ですね。

──そうした「情報」はどこにあるのでしょうか。

 重要な情報っていうのは、ネットには転がっていないんですよ。公開された時点で半ば価値を失うのが情報なんです。最近の傾向として、みなさん、ネットの情報に振り回され過ぎていると思います。

 これは僕の昔からの持論なんですが、本当に価値ある情報というのは「対人」でしか得られないものなんです。だから本気で投資ビジネスで儲けようと思ったら、何より大切にすべきは「人間関係」をおいて他にない。いきなりディープ・インサイドに近づくことはできなくても、人間関係構築のたゆまぬ努力を続けていけば、ある日、ふっと「おいしい情報」が転がり込んでくるかもしれない。

 ただ、せっかくの情報も、その価値に気づくことができなければ何の意味もない。常にアンテナを張り巡らせて、情報を捉える感度を高めておく必要があります。投資とは最終的に、本を読んだり、旅に出たり、街歩きをしたり、いろんな人びとと交流したりと、さまざまな「体験」がものを言う世界なのです。