出汁トロロという美味さの新境地

 知名度をあげた始まりは篠崎の名店『焼肉じゃんぼ』の野原焼きだと思いますが、最近、焼きすき焼きなるメニューが各焼肉店で定着しています。メニュー名は焼き肉店毎にことなりますが、タレに絡めた大きめにカットされた霜降り肉を、焼き台で表裏を数秒ずつで焼き上げ、つけ汁として生卵を絡めて頂きます。要は鉄板で焼く、すき焼き焼きですね。

 この食べ方に出汁トロロという食べ方を提案します。生卵の代替として、摺り下ろした山芋を出汁と合わせるのですが、これが実に美味い。焼きすきに卵は定番でいわば想像できる範囲の上級の味わいですが、出汁トロロに代替するだけで、あっさりとした新食感で焼きすきが味わえます。トロロ自体粘り気もあり、肉にもネットリと十分絡みますので、滋味溢れる味わいになります。手軽にスーパーで買える材料ですので、ご家庭で家焼肉、またはすき焼きでも食べてもらいたいですね。

生卵の代わりに出汁トロロを絡めて食べるので、すき焼きで使用する肉、ザブトンやリブロースがよく合います。

 今回、紹介した以外にも塩ポン酢、カボス、生胡椒など、新しい食べ方でまだまだ焼肉は進化をしていくと考えられます。2018年もあと半年、新しい食べ方を駆使して、まだまだ美味しい焼肉を食べまくりましょう。

[参考文献]
成瀬宇平、横山次郎『47都道府県・肉食文化百科』(丸善出版)2015年

小関尚紀(こせきなおき)
1970年、大阪府生まれ。サラリーマン作家
趣味、焼肉。都内140店舗の焼肉店を訪問するなど独自研究、分析がこうじて、東洋経済オンラインで焼肉記事を連載。たちまち人気連載となった。
焼肉は、メインの肉を焼き仕上げることを客に委ねられるケースが多い、減点法のグルメ。きっちり焼き上げないとせっかくの美味しい肉がもったいないことになってしまうのだが、今まで上手く焼くための指南書が存在しなかった。美味しい焼き方の技術を読者にシェアしたいというのが、本書を書く動機となった。
筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程後期中退。早稲田大学大学院(ビジネススクール)国際経営学専攻修了[経営学修士]。現在、都内企業に勤務しながら作家として活動。著書に、『「即判断」する人はなぜ成功するのか?』(サンマーク出版)、『世界一わかりやすいゲーム理論の教科書』(KADOKAWA)などがある。