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――セールスフォース「コネクションズ」で明らかになった課題と解決策

ダイヤモンドIT&ビジネス
【第174回】 2018年6月22日
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顧客データを統合すれば
生涯価値が見えてくる

今回のイベントは、セールスフォースがこれまで別々に行っていた、マーケティング製品とコマース製品に関連したイベントを合体させて規模を拡大。世界から消費者向けビジネスを行う企業の幹部やマーケター1万人が参加した

 コネクションズでは、セールフォースのB2Cシステムの紹介と併せて、顧客データの統合と活用によって成果を挙げている同社のユーザー企業の事例が多数紹介された。

 例えば、世界最大のホテルチェーンであるマリオットホテルが採用した最新のシステムでは、オンラインで予約した宿泊客は、ホテルに到着するとフロントに並ばなくてもスマートフォンの操作だけでチェックインが完了し、自動的にスマホの中に部屋の“鍵”が送信される。さらには、客が何歳でどこから来て、何に興味があるかなどを登録情報から把握し、到着と同時におすすめの観光地の情報などを個別に提供する。

 ホテル業界ではこれまでも、宿泊客の趣味などの情報は集めていた。だが、収集されたデータを宿泊客の滞在中にリアルタイムに提案できる状態にはなっていなかった。マリオットではデータを統合すると同時に、あらゆる部門が統合されたデータを利用できる組織体制を整え、人手をかけずに済む問い合わせにはボット(Bot)が自動的に対応するなど、効率化と手厚いサービスの両立を図っている。

 加えて特筆すべきは、システム、組織の変更と合わせてホテル従業員の評価基準も見直している点だ。これまでの所属部門の売上から、顧客の生涯価値(LTV)へと変更したのだ。顧客の行動全体が追跡できるようになったからこそ、その行動の中での貢献度も計測可能になった。従業員は目先の売上だけを考えず、顧客最優先のサービスを提供することを考えるようになり、顧客の満足度も高まってリピートにもつながる好循環を作り上げた。

 従来言われてきた「1to1マーケティング」は、ともすると企業側が優良顧客を選別するために用いられていた嫌いもあったが、顧客との長期的な関係構築を重視したこの取り組みは、個別対応の進化形と言えるだろう。

展示会場ではアディダスの事例紹介ブースを設置。タッチパネル付きの大型ディスプレイで顧客体験をアニメーションで表示

 また、スポーツギア販売のアディダスは、自社の物販サイトに消費者を集めて情報発信をする一方で、離脱したユーザーに対しても効果的なマーケティングをかけて販売につなげている。

 例えばインスタグラムでアディダスのアカウントをフォローしたユーザーが、アディダスが投稿したシューズの写真に「いいね」をすると、即座にその商品を購入できる画面に引き込むことができる。「気になった瞬間」の気持ちのまま購買へ最短距離でつなぐ仕組みとして多くの参加者の注目を集めていた。

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