公衆衛生はだいぶ改善されたが…
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古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。第13回は「公衆衛生」と言われる社会保障政策を考える素材として、1952年製作の『カルメン純情す』『本日休診』を取り上げます。『カルメン純情す』で主演女優が一瞬見せるコスプレ(!?)の格好から健康問題をひも解き、現在に繋がる論点を模索します。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

日本初のカラー映画の続編
ドブネズミのぬいぐるみ

 日本初のカラー映画は1951年製作の『カルメン故郷に帰る』でした。主演のリリー・カルメン(高峰秀子)は場末で働く女性ダンサー。映画では、彼女が帰郷した際のドタバタをユーモラスに描いています。

 今回、取り上げる『カルメン純情す』は、その続編に当たります。映画では、カルメンが男性の芸術家に惚れてしまい、ダンスホールもクビになる中で、今で言うアルバイトっぽい仕事を転々とする設定になっています。

 公衆衛生が少しだけ絡むのは、カルメンの仕事の一つです。カルメンは、ドブネズミのぬいぐるみをかぶり、屋外イベントのひのき舞台に座らされ、人目にさらされています。