成果主義は、一プレーヤーとしては、とてもやりがいのあるシステムです。結果を出せば報われるのですから、モチベーションも上がります。
しかし、個人の成果が給料や出世に反映されるため「みんながライバル」となり、チームワークは育みにくくなります。
管理職を兼任するプレイング・マネージャーという立場でも、それは同じです。自分のノウハウを部下に伝えることは、ライバルを育てることも意味します。そのため、素直に教えることが、心情的に難しくなってしまう面があります。
しかし、ここで上司は「自分の仕事とは何か?」を考えなければいけません。
プレイング・マネージャーというポジションは、プレーヤーとして成果を上げつつ、マネージャーとして部下を束ね、チーム全体の成績をアップさせることを求められています。
部下に個人的な感情を抱くのは仕方ないとしても、それがチーム全体の成績に悪影響を及ぼせば、結局は自分の評価を下げることを忘れてはなりません。
同様に若手社員には、「プレーヤーとしての目標」と「チームとしての目標」の2つの意識を持たせることが必要です。
というのも、時としてこの2つは利害で対立することがあるからです。
前述したように、成果主義では各メンバーはライバル関係にあります。そのため、ノウハウや情報を1人で抱え込みがちです。
しかし、チーム全体の底上げのためには、それらをほかのメンバーと共有してもらわなければなりません。
「他人の仕事は引き受けたくない」「他人の成績なんかどうでもいい」という考えに陥りがちな若手に、チームに心を開いてもらうためには、ここでもやはりコミュニケーションがポイントになってきます。
日頃から上司は部下の1人ひとりと信頼関係を築き、“for the team”の精神を浸透させなければなりません。