政府は30年度の電源構成に占める比率を「22~24%」にする目標を掲げているが、ドイツは2030年に50%以上、フランスは2030年に40%、スペインは2020年に40%、イギリスは2020年に31%にする目標を掲げている。諸外国に比べて、日本の目標は著しく低い。

 しかも日本の場合、目標に掲げる再エネの比率の半分の約8.8~9.2%はすでに存在する一般水力発電が含まれている。

 それを除くと、2030年時点では、太陽光は7%、風力は1.7%、バイオマスは3.7~4.6%の比率にすぎないのだ。

 完全に、世界のエネルギー転換から取り残されます、と公言しているようなものだ。

原発優先の電力会社
送電線の開放「20%未満」

 では、なぜ日本で再エネの普及が遅れているのか、そしてなぜ政府は本気で普及させるつもりがないのか。

 基本計画は、再エネが普及しない原因を「発電コストの海外比での高止まりや系統制約等の課題がある」、あるいは「天候次第という間欠性の問題ゆえに火力・揚水等を用いて調整が必要」などの理由を挙げている。

 再エネが、なぜ海外と比べてコストが高いのか。理由は簡単だ。再エネは普及すればするほど、コストが低減する「規模の経済」が働く。それは、電卓や液晶テレビの価格低下と似ている。

 つまりコストが高いのは、経産省と電力会社が原発にこだわり、再エネの普及に本腰を入れていないからだけの話なのだ。

 基本計画は、再エネを決まった価格で電力会社が買い取る固定価格買い取り制度(FIT)を「2020年度末までの間に抜本的な見直しを行う」としているが、これは問題のすり替えだ。

 まるで発電事業者のコスト削減努力が足りないから買い取り価格が高くなり、電力会社が積極的に買わないかのように原因をすり替えている。

 本当の原因は、基本計画もあげている「系統制約等の課題」なのだ。

 再エネの発電量が増えても電気を需要家まで届けるには、送配電網の能力が伴わないと、普及しようがない。

 実際、日本では、大手電力会社が基幹送電線の空き容量がないことを理由に、再エネの発電事業者の接続を拒否する事例が相次いでいる。また再エネ事業者に法外な「送電線の工事負担金」を要求する事例も多い。それが再エネの普及を妨げているのである。

 だが、本当に基幹送電線に「空き容量」はないのだろうか。