そう言われた瞬間はさすがに「カチン!」ときたのですが、冷静に考えてみると、友達に指摘された通りでした。

 私は「一文ですべて話し切ってしまおう」という意識が強かったので、話が冗長に聞こえてしまったのでしょう。そのため、それ以降はもっと「。」を意識して、一文一文をできるだけ短く説明するように心がけたのです。

「コラーゲンはタンパク質の一種なんだよね。ただ、そもそも他の動物と人のコラーゲンは別物でさ。身体に取り込んだコラーゲンのようなタンパク質はバラバラのアミノ酸にまで分解され、その後、身体の隅々に吸収されてしまうんだ。しかも、僕たち人間のコラーゲンができる量には限度があってさ。だから、食べたコラーゲンはそのまま吸収され、キミたちの肌になるってことは絶対にないんだよね。つまり、コラーゲン鍋を食べまくっても、すぐに肌がプルプルになるってことはなく、単なる思い込みなんだよ」

 文章で見ると違いがわかりにくいかもしれませんが、声に出して聴いてみると、聴きやすさがガラッと変わっているはずです。

「間」をとるだけで、聴き手が前のめりになる

 続いて、(2)の「間」にいきましょう。

 一言でいうと、相手に理解してもらうために説明の時に使う「間」の役割は、相手の情報整理の時間を確保することにあります。

 相手にとって新しい情報を整理するというのは、相手が知っている単語を使って説明したとしても、自分が思っている以上に時間がかかります。そのため、新しい情報は一方通行的に伝えるのではなく、1~3秒ほどの「間」を意識的に取るようにします。

 先ほどの飲み会の後に戻りますが、男友達から次のようなダメ出しを食らいました。

「オマエの話、一方的すぎ!長すぎなんだよ」

 これは職業病なのかもしれません。予備校講師というのは、1講義あたり50分ないしは90分を一方的に説明し続ける仕事です。そのため、ついつい普段の会話でも、私は一方通行的になりがちだったのです。

 話上手な人の場合、テンポのいい会話のキャッチボールができるのですが、これが苦手だった私は、一方的な説明でも相手が聴き飽きさせないようにするにはどうすればいいのか、話し方を研究していました。

 特に、「ライバルの売れっ子講師が話している一方的な説明に対し、どうやって生徒に食いつかせているのか?」を徹底的に分析したのです。

 その答えが「間」でした。つまり、相手の発話はないものの、相手にも考えさせる時間をしっかりと確保し、話に参加させる姿勢をとってもらうのです。