秋以降は夏に使いすぎた分の
節約に走る可能性も

 こうした猛暑によるプラス効果とマイナス効果を合わせても、2013年7~9月期の消費全体では、前期比0.3%増とプラス成長となった。もちろん、伸び率としては決して高いとは言えない。しかし、雇用者報酬が、前年度の企業収益の悪化の影響で前期比1.2%減と落ち込んだなかでは、「猛暑効果」のおかげで個人消費が健闘したといえるだろう。

 今年も既に、エアコンや扇風機の販売が伸びているほか、コンビニの冷やし麺やアイスクリーム、ペットボトル飲料や汗拭きシートなど、季節商品の売り上げにプラスの「猛暑効果」が出ている。猛暑を見込んで発売された冷凍するタイプのペットボトル飲料では、想定を超える人気で生産が追いつかず、出荷停止になったものも出ているほどだ。

 近年のデータからは、7~9月期の平均気温が1度上昇すると、実質個人消費が前年比0.26%押し上げられる、と試算できる。このため仮に8月、9月も7月同様に昨年を上回る高温が続くようであれば、猛暑効果だけで、消費が0.3%程度押し上げられることになる。アベノミクス開始後の2013年頭から2018年頭までの個人消費の年平均実質増加率がプラス0.4%にとどまるなかでは、大きなインパクトがあるといえる。

 ただし、猛暑による消費の盛り上がりは、暑さをしのぐためについついビールに手が伸びる、熱中症が恐ろしいのでクーラーをかけ続けて電気代が増える、といった類いのものなので、持続性はない。むしろ秋以降は、夏に使いすぎた分を節約する動きが出てくる可能性がある。2013年にも10~12月期の消費は0.1%のマイナスとなった。

 しかし、今年については、足元の雇用・所得環境は改善を続けている。今夏の賞与は中小企業も含め、昨年より増えるケースが多かったこともあり、仮に夏の盛り上がりと秋以降の落ち込みが発生しても、平均してみれば、個人消費全体では緩やかな増加基調は維持される見通しだ。ただ、秋以降に出てくる消費の「夏バテ」の悪影響は、一様に出てくるわけではないため、秋風が吹いても、小売店や消費財メーカーとしては、気が抜けない熱い販売努力が必要となりそうだ。