インターネットの対局サイトには囲碁AIが常駐しており、日々トップ棋士との練習対局が公開されていて、5000人以上の観戦者を集めている。さらに、深夜に盛り上がっている対局をのぞいてみると、それはAI対AIの対局だ。これも日々、数千人が観戦しており、中国の囲碁ブームの熱さは計り知れない。中国企業が囲碁AIを開発するのは技術面だけではなく、宣伝効果も大きいのだろう。

 囲碁AIブームの先駆者となったアルファ碁が、韓国のプロ棋士を倒したのは2016年3月のことだ。2017年5月には世界一と言われる中国のプロ棋士に3戦全勝。そして、人間との対局から引退した。

 ただ、その後も研究は続き、2017年10月に「アルファ碁ゼロ」が発表された。これは、人間の棋譜という教師データなしでAIを作る取り組みで、囲碁のルールだけを教え、あとはAI同士で数千万回の対戦を繰り返して学習させたものだ。その結果、従来のアルファ碁よりも強いAIが誕生したのである。

 そして、17年12月には、「碁」の文字がとれた「アルファゼロ」が発表された。これは汎用的なAIを作る取り組みで、これもルールだけを教えて自己対戦するのだが、碁だけではなく将棋もチェスもプレイできる。そしてどちらも、これまでに公開されているどのソフトよりも強いAIなのだ。このように、囲碁AIの性能向上は、その開発を通じて、将来、社会で広く使われるようなAIの性能向上につながると期待されている。

 こうした中で、テンセントが主催した大会には、世界各国から11チームが参加した。テンセントは人間の囲碁とAIの囲碁とを別の競技と考えており、囲碁AIが競う新たな場を作ろうとしている。

 大会の予選を勝ち抜いて、ベスト8に残ったのは下記のチームだ。

 アルファ碁によって、「人間に勝つAI」という大きな目標が達せられたのだが、ご覧のように、囲碁AIの開発は今も世界中で行われている。

 準々決勝は総当たり14局(黒白合わせて2局×7)のリーグ戦形式で、ベスト4を決める。その後、準決勝は五番勝負、決勝は七番勝負と大がかりな大会であった。

 筆者は予選の戦いぶりから見ても、準々決勝のリーグ戦でもテンセントの「絶芸」が独走するかと思ったが、思わぬことに「Golaxy」が絶芸に土をつけた。