「カッコ悪い自分」と向き合う
まず、一定期間に「プレイヤーとしての仕事」と「マネジャーとしての仕事」にどのくらいの時間を費やしたのかを下図のように集計することで、実際にどのようなバランスで働けているかを客観的に把握します。
私もそうでしたが、初めて「自分の働き方」を可視化すると、イメージしていた「自分の働き方」とはかなり違う「カッコ悪い自分」に直面させられるものです。
おそらく、想像以上に「マネジャーとしての仕事」に時間を割けていなかったことがわかるはずです。しかし、それが現実。現状を受け止め、「もっとマネジメントに注力する時間を増やさなければならない」と明確な問題意識をもつチャンスです。
そして、下図のように「自分のめざすべき働き方」をイメージします。すぐには実現できないかもしれませんが、「残業ゼロ」を前提に「自分のめざすべき働き方」をイメージしてみるのです。
「マネジャーとしての仕事」を増やすためには、「プレイヤーとしての仕事」などにかける時間を圧縮するほかありません。自分の仕事の効率を上げる、部下に仕事を任せる、不要な仕事を洗い出すなど、いろいろな方法があるはずです。
それに、できれば定時出社・定時退社を実現して、健康・家族・社会・勉強などのための時間も生み出したいですよね?
目の前の仕事に追いたてられて疲弊するだけでは、人生100年時代といわれる現代を生き抜くことは難しいでしょう。自分の「知の泉」を豊かにするために、新たな「知識」をインプットする時間もほしいですし、人生の後半に備えて体も鍛えておきたいものです。
また、日々の仕事に疲れ果てて、悲壮感がただよっているマネジャーを目の当たりにしたメンバーが、「マネジャーにはなりたくない……」と、キャリアアップへの意欲を失ってしまうことも見逃せません。マネジャーが充実した生活を送っている姿を見せることが、メンバーのモチベーションアップに直結するのです。
そのためにも、仕事以外の「ライフ」を充実させることは、とても大切なことです。早朝ランニングをしたり、家族との団らんを楽しんだり、夜に語学を学んだり……。そんな充実した生活を送る自分をイメージして、そのためにはどのように「働き方」を変えていけばいいのかを具体的に考えていただきたいのです。