一流ビジネスパーソンや企業のトップが研修に通うほど、リーダーシップや説得力をもたらすのに「声」は重要視されています。性格や習慣をすぐに変えることはできませんが、声はすぐに変えられます。そして、声の改善で仕事の成果が上がることが科学的に実証されているのです!
250社超の研修実績、3万人が受けた声のビジネス研修を読んで学べるボイスレッスン『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』より、「1分間声トレ」を動画付きで紹介します。
電話応対の9割は声で決まる!
電話応対は、会社の第一印象を担う重要な業務です。
対面で話しているときには、声だけでなく表情、アイコンタクトやボディランゲージも含めて相手とコミュニケーションできますが、電話では声だけのコミュニケーションになります。
したがって、電話における声の印象が、そのまま相手に対する自分の印象になってしまうので、話し方がとても重要になるのです。
電話応対へのクレームのほとんどが、感情的な問題です。
つまり話している内容に対してではなく、「話し方がなっていない」「心がこもっていない」といったクレームです。
自分は普通に話しているつもりでも、「なんだか雰囲気が暗いな」「この営業マンとは話したくないな」と相手に思わせているケースがあるということ。電話で損をしている人はたくさんいます。
普段の落ち着いた話し方では、ほとんどの人は不十分といえるでしょう。別人格になりきって、普段よりも大幅にテンションを上げて話すくらいがちょうどいいのだと認識してください。
さて、私はあるコールセンターのオペレーター約80人の声を分析したことがありますが、それにより悪い印象を与える話し方の共通項を知ることができました。そして、その問題を解決するための対策を次の5つにまとめてみました。
電話応対の仕事をしている人は、この5つに取り組んでみてください。
1.口角を上げたまま話す
口角を上げることで声のトーンは1音から1.5音がり、明るい声になります。
無理やり上げるとこわばってしまいますから、少しだけニッコリと口角上げ気味で話すことを心がけるといいでしょう。
初めのうちは口角を上げていても、疲れてくるとだんだん真顔で話すようになってしまいます。電話の前に鏡を置いておき、自分の表情をチェックしながら話すようにしてください。
2.単語を2~6音で区切り、息をたくさん吐きながら話す
細々とした説明をしたり、サ行が続く言葉を発したりするときに、噛んでしまうことがあります。
噛んでしまうのは、長い単語を一気に話そうとするから。7音以上の単語は噛みやすい傾向にあります。
そこで次のように、長い単語も2~6音で区切って話すようにします。
「うけたまわり/ました」
「かしこまり/ました」
「させて/いただきます」
3.腹式呼吸で、小さめの声で話す
のどに負荷がかかる胸式呼吸でずっと話していると、声がかれてしまい、印象の悪いがさがさ声になります。あくまでも腹式呼吸で話すことを意識しましょう。
声のボリュームは小さめのほうがいいです。
相手は電話の機能で音量調整できるので、それほど大きな声を出さなくても、きちんと聞こえていることが多いからです。また、小さめの声で話したほうが一日中いい声を続けられます。
4.お伺い、質問の語尾はきちんと上げる
「~していただけますか?」
「~でよろしいでしょうか?」
「~はいかがなさいますか?」
など、お伺い・質問をするときに、語尾がフラットだったり、伸ばしぎみだったりする話し方は、とても無愛想に聞こえてしまいます。オペレーターの声を分析したときにも、最も多く見られた問題がこれでした。
語尾をきちんと上げるようにすることで、オペレーターに対するクレームは大幅に減るはずです。
5.謝罪の言葉は「だんだん小さく」
電話口で謝罪の言葉を使うときは、語尾にかけて弱くなるように発声します。
全体的に徐々に小さくしていくのではなく、単語の頭ごとに、階段を下がるように小さくするのがポイントです。
「大変申し訳ありませんでした」の「でした」あたりでは、言葉を飲み込んでほとんど声に出さないくらいにして構いません。
「申し訳ない」という気持ちを相手に伝えることができます。
これまでお伝えしたことと変わりませんが、電話応対では、特に意識してほしい5つのポイントです。電話応対は最初の接点ですので、重要な業務であることを再確認しましょう。
1分間声トレを実践しよう!
美声の超基本~腹式呼吸
1.〈5秒×2回トレ〉
手に「はぁ―――」と温かい息を吐くだけで、正しい声に変わる
(2)寒さでかじかんだ手を温めるイメージで、「はぁ―――」と5秒間、息を吐く。
2.<25秒×2回トレ〉
「シ―――――――――」で安定した声をつくる
(2)「シ―――――――――――――」と息の続く限り声を出す。