だとすれば、テーマ型投信のように、投資する対象を自ら狭めてしまうというのはどう考えても合理的な投資方法であるとは言えない。

(2)「分かりやすいこと」イコール「儲かる」とは限らない

 にもかかわらず、なぜ多くの人はテーマ型投信を買おうとするのだろうか。その理由は“分かりやすい”ことと“販売しやすい”ことにある。

 最大の理由は、何といっても分かりやすさだろう。AIやロボット、フィンテックなどというテーマはテレビやニュースでもよく取り上げられているため、投資信託を全く知らない人でもなじみがある。

 ということは、売る側にとっても売りやすいということ。ただ、いくら単語を聞いたことがある、あるいはよく知っていたとしても、それが必ずしも上がるとは限らない。「分かりやすいこと」と「儲かること」は別問題なのだ。

 行動経済学に「利用可能性ヒューリスティック」と呼ばれる心理現象がある。実は投資信託を選ぶ際にも、この現象が影響を与えているように思える。「利用可能性ヒューリスティック」とは身近なものや分かりやすいものは、起きる確率が高くなると勘違いすることだ。投資信託選びで言えば、知っているもの、最近話題になっているものは上がる確率が高そうに思えるということなのだ。

 テーマ型ファンドに当てはめて言えば、「株のことはよく分からないけど、AIやフィンテックはブームだし、これから東京オリンピックに向けて建設関係がよくなるのだろうなあ」といった具合に誰でも想起しやすいことから、関連する株も上がるのではないかと感じてしまうわけだ。

(3)既に高値になっている場合が多い

 ところが多くの場合、一般のニュースや話題で取り上げられているということは、既に株式市場でも関心がかなり高まっているということだから、株価もかなり高値圏にきていることが多い。