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ありそうでなかった「ITのためのITサービス」で
急成長する「サービスナウ」の戦略

末岡洋子
2018年9月14日
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永続する企業へ
“人”中心の企業改革

 現在サービスナウを率いるのは、元eBayのCEOを務めたJohn Danahoe氏、3代目のCEOとなる。2代目のCEO(Frank Slootman氏)の時代にIPO(株式上場)を果たし、2009年に2800万ドルだった売上高は、2017年には19億3000万ドルと70倍近くに成長した。2代目のCEOがサービスナウの成長期とすれば、Danahoe氏によりサービスナウは新しいフェーズに入る、と村瀬氏は説明する。

 現在も売上高は順調に成長している(2018年第2四半期の売上高は前年同期比45%増)が、Danahoe氏は単なる成長や拡大だけでなく、「永続する企業にサービスナウを転進させようとしている」(村瀬氏)。そこで、創業者のLuddy氏を再び会長に戻し、創業時の意思をきちんと継承することにした。年初には本社の幹部が東京を含む各拠点を周り、自社の意義を説明したり、社員と意見交換する“パーパスツアー”も行った。

 CEOとして2年目を迎えたDanahoe氏は今年、「Future of Work」というスローガンを打ち出した。村瀬氏はこれを、「サービスナウは、付加価値が高く、人にしかできない新しい仕事を創造する」と説明する。「一次産業、二次産業と移り変わり、技術は現在も進化している。しかし、(技術がもたらす産業革命ではなく)プロセスなど人が行う仕事内容を変える仕事革命が必要であり、サービスナウはそのプラットフォームになる」(村瀬氏)。

 同時に、サービスナウのロゴの“o”を、電源ボタンから人の頭部をかたどったものに変更した。仕事が変わる中、中心は人であることを示すためだ。

 同社のフォーカスはNow Platformの上のカテゴリを増やすだけでなく、体験の改善にある。村瀬氏はモバイル機能やチャットボットなどを例にあげる。新機能となるチャットボット「Virtual Agent」により、ユーザーは会話しながらITサービスに問い合わせて回答が得られるという。問い合わせの15~20%はこれで解決できると見ている。

「Now Platform」に搭載できる各種のビジネス機能
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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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