天井から吊り下げられた駄菓子、人の身長より高い所にまでぎっしり積み上げられたペットボトル飲料……。

ファミマとドンキの共同実験店舗Photo by Satoru Okada

 ファミリーマートの店内なのに、まるでドン・キホーテを思わせるのは、6月に都内3店でオープンしたファミマとドンキの共同実験店舗だ。ファミマの親会社のユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテHDが資本業務提携したことによる取り組みの一環である。

 ファミマの既存の店舗を改装したもので、通常のファミマの1.5~1.7倍の数の商品を並べ、大きな袋に入ったスルメイカなど、その過半をドンキの商品が占める。

 ファミマの9月11日の発表によると、3店舗の売上高は前年比126%、客数は110%、客単価は115%となり、消費者の反応は上々のようだ。

 ところが、ファミマは共同実験店舗をこれ以上増やす計画はないという。なぜか。

 まず本来、店舗のオペレーションが2社で全く異なるからだ。ドンキは、発注や値付けの権限を店長に委ねる「個店主義」を掲げる。品ぞろえは地域性を加味した店長の個性によるのだ。