――「渡辺式 反復1週間減塩法」の狙いは何でしょうか?

 薄味で満足する味覚を取り戻すことです。最初のうちは、患者さんは減塩の1週間を乗り越えることに苦労しています。ところが繰り返すうちに、減塩の食事に慣れてくる。そして従来の食生活に戻った時に「これまでの食事がしょっぱい。食べづらい」と感じるようになる。

 いつの間にか薄味嗜好になっていた患者さんたちは、今度は私が指導しなくても、醤油や塩などの調味料をほとんど使わなくなります。外食をしなくなった人、漬物や梅干し、明太子などを食べなくなった人も珍しくありません。

 1週間の減塩生活を10回ほど繰り返すと、1日の塩分摂取量12~13グラムだった人が6グラム未満を達成し、継続できるようになります。1日40グラム近く塩分を取っていた人でも、6グラム未満の食生活に切り替えることができました。

 この減塩法は、「塩分量を徐々に減らしていく」やり方ではうまくいきません。従来の塩分量がどれくらい多くても、1週間の間は必ず6グラム未満にすることが成功のカギになります。

ごまかせない“尿検査”を実施し
降圧剤をやめられた患者も

――実際は塩分を取っているのに、それをごまかして報告する患者さんはいませんか? 

 確実性を高めるため、私の減塩外来では食生活を報告してもらうのと同時に、蓄尿も行っています。患者さんの受診前の1日の尿を全てペットボトルにため、振って混ぜて尿検査用試験管1本に移したものを提出してもらうのです。

 この尿からスタッフが塩分量を算出。さらに私がその塩分量に対し評価します。これも、とても細かいですよ。6~7グラムが「△」、8~9グラムが「×」、10~11グラムが「××」、12~14グラムが「×××」で、量が増えるにつれ「×」も増えていきます。一方、6グラム未満を守っている場合は、4~5グラムが「○」、2~3グラムが「◎」となります。

 この可視化した評価によって、患者さんは何を食べた時に塩分量が増え、自分がどれほど多く塩分量を取っているか、はっきりと分かる。私と共になぜその塩分量になったのかを考え、是正する方法を探っていきます。これによって、降圧薬をやめられた患者さんもいるのです。