文科省一連の汚職事件で揺れる文部科学省。事務次官が辞任する事態にまで発展した。Photo:PIXTA

文部科学省を舞台にした2件の汚職事件でクローズアップされた「霞が関ブローカー」。企業や業者と、官僚や政治家との“橋渡し”をし、報酬を得る人間たちだ。2件の事件を受けて、文部科学省の戸谷一夫事務次官と高橋道和初等中等教育局長が辞任したが、ブローカーたちは長年にわたって霞が関や永田町に巣くっており、これで終わるわけではない。(ジャーナリスト 横田由美子)

文科省の贈収賄事件で名を上げた
「霞が関ブローカー」

「事件の影響もあって、霞が関や永田町のブローカーはみな、閑古鳥が鳴いてるんじゃない?」

 そう、旧知の議員秘書は言った。

 私も同感だったが、今はモグラ叩きのモグラのように顔を沈めているだけで、すぐにまた顔を出すだろうと思っていた。

 ここでいう「事件」とは、文部科学省の佐野太科学技術・学術政策局長が私立大学支援事業で便宜をはかる見返りに、息子を東京医科大学に不正入学させたこと、そして川端和明前国際統括官(59年入省、科技)が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務をめぐって140万円相当の過剰接待を受け、東京地検特捜部に受託収賄罪、収賄罪で逮捕・起訴された2件のことを指す。