財務省は生まれ変われるか?再生プロジェクトの中身を元財務官僚が徹底検証
不祥事が続いた財務省が、自己改革案をまとめた中間報告書として、「財務省再生プロジェクト進捗報告」を発表した。果たして、これで財務省は生まれ変われるだろうか。元財務官僚の田中秀明・明大教授が分析する Photo:PIXTA

 10月19日、決裁文書の改ざん、事務次官のセクハラ疑惑といった不祥事が続いた財務省が、コンプライアンス(法令順守)や内部統制などについての自己改革案をまとめた中間報告書として、「財務省再生プロジェクト進捗報告」を発表した。上司だけではなく部下からも人事評価する「360度評価」などが盛り込まれている。具体策は今後さらに詰めることになっているが、果たして、これで財務省は立ち直れるだろうか。

 報告書を読み解くと、それなりにまとまっていると言えるが、結論を先に言えば問題点の分析が十分とは言えない。報告書で指摘されているように、コンプライアンスや内部統制、あるいは長時間労働・ハラスメントは問題だが、これらは、財務省の使命を達成する上で、最も大きな問題であろうか。

360度評価と内部通報制度は
改革の柱となるか

 最初に、今回の報告書のポイントを整理する。

 報告書は冒頭に、一連の不祥事により財務省の信頼が大きく低下していると述べる。そして、改革の目的や方向として、「こうした問題行為を二度と起こさないようにするためには、一連の問題行為の発生を許した財務省の組織風土を抜本的に改革することにより、常に国民の皆様の視点に立って時代にふさわしい仕事のやり方や働き方ができ、高い価値を社会に提供できる組織へと自らを変革し、コンプライアンス・内部統制が実質的に機能する組織風土を創り上げていく必要があると考えています」と記述する。

 そこで、職員に対するアンケート調査やヒアリングを行い、財務省が組織として抱える課題を抽出し、改革の推進体制の設計を行った。その上で、若手・女性職員など幅広い職員の参画も得ながら、秋池玲子参与(ボストン・コンサルティング・グループ)と担当職員で今後必要となる改革の具体策について議論し、「財務省再生プロジェクト」として、具体策の方向性とその工程表を整理したのが、今般の報告書である。