スマホには壁越えソフトを入れており、前日まで全部まったく大丈夫だったのに……である。

安倍首相がホテルに到着…。なんとか写真は撮れたが…安倍首相がホテルに到着…。撮影したがリアルタイム未公開になった映像より Photo:H.T.

 私は安倍氏のホテル到着の取材に行った。せっかくだしこれはツイッターでライブデビューかしら、と、自撮り棒まで持っていったのに、ホテルのロビーで、日本語も打てなければ、文字すらも送れない始末。

 朝、気が付いていたのだが、慣れているし出かける途中ですぐ直せるだろう、と、タブレットすら持ってこなかったのである。

 中国様、やっぱりAIで私の心も行動も、読み取っているのかもしれない(泣)。

 さらに夜、ネットで中国の安倍首相訪中の記事を見てみた。すると2~3日前まで、昔ほどではないが、やっぱり露骨な罵りコメントがたくさんついていたのに、きれいに消えている。

 で、コメントの数がありえないほど少ない……。残っているのは、日本の首相の来中を歓迎するものばかりである。「我々は手を取り合って共に利益を!」「忘れちゃだめだよ。日本は中国が経済発展するときに、資金融資をしてくれたんだ」。

 中国、コエー(泣)。

 おまけにその後、知らぬ間にスマホに、中国版のクローンソフトがダウンロードされていた。

(え? こんなのあったっけ?)

夜の人民公会堂日の丸がはためく夜の天安門広場 Photo:H.T.

 タップすると、「あなたの携帯のクローンを(他の携帯に)つくることに同意しますか? 」とインストールの許可を問う質問が出てきた。速攻で削除した。

 ちなみに中国では、悪質なショートメールを受け取ると、それを開くだけで、相手に携帯の中身が全部コピーされる。

 中国人の友人とウイーチャット電話でしゃべっていたら、“台湾”と言ったとたんに、切れたりもする。単に映画の話だったので、おそらく音声AIが管理をしていると思われる。いや、盗み聞きされているのかもしれないが……。

 ちなみに“台湾”は中国にとってはセンシティブな問題で、メールで台湾の文字が入っていると、そこだけ文字化けしたりもする。

 ……私が日本の友達に聞いた台湾の美味しいお店は、やはり中国の国家機密なのだろうか。